内容説明
人間界と怪異とが交錯する世界―。蒲松齢は、民間の説話と故事から、狐、鬼、神仙、妖術、そして不思議な人間が躍動する世界を作り上げる。因果応報のもと欲と色に生きる庶民の姿のなかに、人間の本然の姿を垣間見せる斬新な小説技法は、中国文学のロングセラーとなった。
目次
巻1(城隍神になる試験;耳中人;追いかけて来る死屍;水を噴く怪;瞳人の会話 ほか)
巻2(気違いじみた苦行僧;狐に魅入られた男たち;石を食う隠士;醜女に化けた怪;首のすげかえ ほか)
著者等紹介
蒲松齢[ホショウレイ]
1640‐1715。清代初期の文人。山東省に生まれる。父親から読書人としての教育を受け、19歳で県試に合格するも、科挙の郷試にはついに合格せず、71歳で貢生になるまで、家塾の教師を務める。読書と著述にうちこみ、戯曲、俗曲、詩集など多くの文学作品を残す
増田渉[マスダワタル]
1903年、島根県生まれ。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。77年没
松枝茂夫[マツエダシゲオ]
1905年、佐賀県生まれ。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。95年没
常石茂[ツネイシシゲル]
1915年、大阪府生まれ。本名、柳沢三郎。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。82年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
9
清時代の怪異譚集。素直に面白かったけれど、周りの人が幸福のお膳立てをしてくれるような都合のいい話が多いなぁ。ちょっとドリーム小説っぽい風味がある。関羽が神様として奉られていることは知っていたけれど、神様として登場する話があってびっくり。話の後に著者のコメントが付いてくるけれど、正直んー…という感じなので途中から流していた。2022/10/03
げんげんみうみう
3
中華の妖というと人間とは全く関らず我らは我らが道を行く体で何かのきっかけがあって初めて人間と関わりを持つというイメージを漠然と持っていたがだいぶ違った。特に狐くんたちは人とべったり、完全に相互依存状態で笑える。また妙に艶かしい話が多いのも意外だった。あと才子たちは生涯試験試験の連続で大変そう。日本のとも欧州のとも違う怪異譚で面白い。2023/12/01
fuchsia
2
分厚い文庫で6巻もありますが、のんびりと読んでいきます。怪談集かと思ってたけど、今昔物語のような奇談集です。著者のコメントがちょっとうむむ。2011/05/16
あたびー
1
何度も何度も読む。岩波は少ししか収録されていないので、平凡社ライブラリーのを清水の舞台から飛び降りるつもりで買った。
tatoba
1
狐ばっかりやな2011/06/23
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