内容説明
日本人の深層にあって、民族のエネルギーを作り出す見えざる力“日本語”を正しく把握するために、日本語の歴史を日本人の言語生活の歴史として、また日本文化の骨格を作ることばの文化史として捉え、広範な視点から語り尽くした名著の復刊。第4巻は、中世の日本語の歴史に光をあてる。古代と近代とをつなぐ中世には、古代語の残照とともに、近代語の萌芽が見られる。その諸相をつぶさに解明。
目次
第1章 古代語の残照(上代特殊仮名づかいの崩壊;音便の発生;音韻を変えた基層の変化)
第2章 五十音図といろは歌の文化(五十音図の成立を探る;あめつちとたゐにの歌;いろは歌はなぜつくられたか;五十音図といろは歌のになった役割)
第3章 古典語の周辺(中世歌学に芽ばえる古典意識;言語の面からみた連歌;散文の世界に照明をあてる)
第4章 新しい口語の世界(下積みの口語;学問の場に登場する口語;『御伽草子』にとらえる時代の口調;狂言に使われた口語の時代相;方言の源流をたどる)
第5章 外国人の日本語観(ポルトガル人の日本発見と伝道;イエズス会士の日本語研究;キリシタン版の文典・辞書・教科書;朝鮮・シナにおける日本語の研究)
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