内容説明
『ピノッキオの冒険』と並ぶイタリア児童文学の古典的名作。少年エンリーコが毎日の学校生活を綴った日記と、先生の「今月のお話」九話から成る。なかでも、ジェノヴァの少年マルコが母親を捜して遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」のお話はあまりにも有名。書名の“クオーレ”は「心」を意味するイタリア語。
著者等紹介
アミーチス,エドモンド・デ[アミーチス,エドモンドデ][Amicis,Edmondo De]
1846‐1908。陸軍将校としてイタリア統一のため、対オーストリア第三次独立戦争などに出征したのち、24歳で文筆生活に入る。軍隊生活を題材にした中短篇を皮切りに、次第に紀行作家としての名声を高める。『クオーレ』(1886)は、日本でも1902年初訳以来、読み継がれている。なかでも5月の「今月のお話」として収録の「母をたずねて三千里」は有名
和田忠彦[ワダタダヒコ]
1952年、長野県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。東京外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たか
45
イタリア児童文学の古典的名作。少年エンリーコが毎日の学校生活を綴った日記と、先生の『今月のお話』九話から成る。その中のお話しの一つが『母をたずねて三千里』。ジェノバの少年マルコがアルゼンチンにいるお母さんを訪ねに行く話しはあまりにも有名ですが、その他にも感動のお話しが満載 。B評価2018/06/02
まさ
17
小学3年生のエンリーコの1年間の日記と「今月のお話」などの構成です。イタリア統一直後の時代背景を踏まえて読むとよいかも。順々に読んでいく途中でお目当ての『母をたずねて三千里』が今月のお話として出てきました。子どもの頃に観たアニメも思い出します。頭の中で主題歌が流れる~。2019/07/20
ヤクーツクのハチコ
5
イタリア統一直後の児童書ということで、ある意味その頃の思想が垣間見れる。作者さんはマンゾーニと比較されることに苦しんだそうで、そんなに偉大なのかマンゾーニ。須賀敦子つながりで「マンゾーニ家の人々」だけ読んで肝心のマンゾーニはよんだことがないぞ。2014/03/27
まじょるか
5
時代の影響でナショナリズム・愛国教育が気になるが、全体的にやさしい気持ちになれる話。教育関係者は必読の書だと思う。2014/02/21
MIRACLE
4
3.5点(5点満点)。小学三年生のエンリーコがつづったイタリアの小学校の一年間の物語(10月から翌年7月まで)。少年の日記、今月のお話、両親からの言葉を組み合わせた、凝った構成だ。作品は自己犠牲の尊さが中心だ。そのため本書は美談がまんさいで、その是非はともかく、いまでも読者に訴えかけてくる。今月のお話(全8話)では「おとうの看護人」がよかった(母をたずねて三千里はそれほどでもない)。本書を読んでいて目についたのが、子にたいする親の溺愛ぶりだ。たとえば親たちは校門の外で、自分の子どもが出てくるのを今や遅しと2011/08/07