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平凡社ライブラリー
響きの考古学―音律の世界史からの冒険 (増補)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766035
  • NDC分類 761.12
  • Cコード C0373

内容説明

響き、音、そして音楽。ひとはそこに何を見出し、求め、愛してきたのか。本書は、音律という「音の基準」をフォーカスに、古代のギリシアや中国、アラブ、西欧における多様な音律の歴史を縦横に探索し、平均律という近代の欲望から自由な、これからの音楽の可能性へと誘う注目の書。

目次

第1章 古代ギリシャの音律(比率による音の思考;純正音程の操作 ほか)
第2章 古代中国の音律(黄帝伝説―音律の始まり;西方とは ほか)
第3章 アラブの音律(音律と楽器;ウードとアラブの音律 ほか)
第4章 西欧の音律(モノコードによる宇宙;グレゴリオ聖歌の音律 ほか)
第5章 現代の音律(平均律を超えて;ハリー・パーチの音律 ほか)
第6章 音律のあらたな実践(音律にめざめる;耳の訓練―コンピュータによる即興演奏 ほか)

著者等紹介

藤枝守[フジエダマモル]
1955年、広島市生まれ。作曲家。カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号(Ph.D.in Music)を取得。作曲を湯浅譲二、モートン・フェルドマンらに師事。ハリー・パーチ、ルー・ハリソンに影響されながら、純正調によるあらたな音律の方向を模索。近年は、植物の電位変化のデータに基づく『植物文様』という作曲シリーズを展開。また、箏や笙などを中心とした音律の可能性を追求する合奏団「モノフォニー・コンソート」を組織。九州大学大学院芸術工学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

10
著者は植物に電極をつないで得たパルスをもとに作曲するユニークな試みをしている人。本書は、バッハが完成させたと言われるいわば音律の権威である“平均律”の周縁をさぐっている。音律をシステム化するにあたって、すなおな倍音の比率にやむをえず歪みが出る。それに対抗して“純正律”をもとに音楽を作る一派があるがおそらく著者もその1人。その流れから本書では、西欧以外の多様な音律をいろいろと紹介してあり刺激的。そういえばフレットのない弦楽器でもわざと音程を高め低めに取ったりもするが、これも平均律による歪みの調整だったのか。2023/02/01

へくとぱすかる

8
古代ギリシャ音楽とハリー・パーチの音楽、著者の「植物文様」を聴く。ギリシャはさておき、現代曲はそれと知って聴かないと、他の現代曲とのちがいがわからなかった。ただし響きがきれいで聞き続けたいとは思った。違いが微妙すぎるのか、私が平均律にどっぷりなのか。いずれにしても音楽家ならば、その違いが聞き分けられるのだろう。無調音楽とはちがった方向での現代音楽の発展に期待したい。2014/01/13

bittersweet symphony

2
古代エジプトやメソポタミアから近代西欧平均律までの音律の歴史をたどるのが前半、後半は平均律に疑問をもった戦後アメリカ西海岸を中心とした前衛作曲家たち(著者自身も含まれる)の活動や思想の紹介がメインになっています。むしろこの後半を解説するために必要な予備情報として前半があり、それがなぜかタイトルになっているというのが実情のようです。個人的には伝統に根ざした純正律的な開かれた音律の世界(もちろん閉鎖的な伝承もあるとは思います)と、前衛作曲家たちの閉じた音律世界との齟齬が、どうしても気になってしまうところ。2015/08/04

あがた

1
音律の歴史について、よく纏められた一冊。

サニジョプッ

1
怒濤の純正律推し。某サイトで平均律から何から聞きまくったが、はっきり言おう、神に祝福された聴覚でも持ってない限り関係ねぇ!!都会の喧噪を離れ、田舎で耳を養えって、誰が行くかと。世界各地での音律の発展だとか、ハリー・パーチやルー・ハリソンの話は大変興味深いので読む価値は大いにあり。2012/01/28

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