内容説明
有名なプシケー(心)の古代説話を基に構想され、本当の愛とは何か、人間とは何かを問いかけた名作ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
拓也 ◆mOrYeBoQbw
22
長篇幻想小説。ムンクの『クピドとプシュケ』も見られた事なのでw。ギリシア神話のプシュケ神話を長女オリュアル視点で描いた幻想長篇です。古代の土着信仰とギリシア文化の捉え方、風俗が良く調べて書かれてますし、その古代のモチーフとキリスト教的なモラルと愛情の融合が上手く出来た作品だと思います。ルイスが高く評価してるマクドナルド『ファンタステス』の影響が良く出ていて、19~20世紀初頭の凋落した教会と欧米に、純粋な何かを取り戻させるような、切実な願いを感じますね(・ω・)ノシ2018/11/11
syaori
19
ギリシア神話のプシケーの物語に想を得ています。ウンギットというギリシアではアフロディテに当たる神を信仰する辺境の国が舞台で、プシケーの姉オリュアルの回想という形をとっています。副題のとおり「プシケーと姉オリュアルの愛の物語」なのですが、それだけではなく神と人、姉妹、親子、人と人の相克が描かれます。オリュアルがプシケーを失うあたりや神の告発と審判の部分は本当に胸が締め付けられましたが優しく力強い文章が先へ先へと誘ってくれました。人が生きること、愛することの苦しみ、悲しみ、喜びが語られている物語だと思います。2016/03/23
アンブレラ☆
2
ナルニア国物語よりも前に読んでいて、お気に入りだった本のひとつ。2011/05/07
H
1
イギリスの小説にはこういう姉妹間のコンプレックスを描くものが多い気がする。あっさりしてない、愛憎半ばする濃い関係。時々その濃さにふしぎとほっとしたりします。
藍鼠
1
この作品、人と神様を描く方法のおそろしさに身震いして読みました。 仄暗い神話。 神を潔癖に信じなかったオリュアルのあわれなこと。2012/03/28
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- 和書
- 漂泊者と其の影