内容説明
関東大震災と第二次大戦のはざま、ほんの一瞬だけ花開き、消えていった日本の前衛写真家たちの知られざる足跡を追った伝記・作品論。日本アバンギャルド写真史へのガイドブック。新たな論考を加えた決定版。
目次
1 都市の視線―モダニズムとしての新興写真
2 写真家たちの軌跡(野島康三―日本近代写真の確立者;福原信三―「光と其諧調」のロマンティシズム;淵上白陽―「構成派」の冒険 『白陽』とその時代;福森白洋―“アマチュアの時代”を駆け抜けた写真家 ほか)
3 補論(野島康三の“肖像”;「美しい光の流るる処」―福原信三と福原路草;写真のユートピア―淵上白陽と満洲写真作家協会;安井仲治のリアリティ)
著者等紹介
飯沢耕太郎[イイザワコウタロウ]
1954年、宮城県生まれ。写真評論家。日本大学芸術学部写真学科卒業後、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AR読書記録
2
これまでぼんやりと(下調べして目的をもって展覧会行って、ということでなく、なんとなく写真美術館行ったりてな感じで)写真を眺めてきたなかで、戦前にえらいモダーンというか抽象的というか先鋭的というか、気になる写真群がある気がしていた。ので、この書名をみてはっと手に取ったが、まさにそのあたりの写真が出てきて大変うれしい出会いだった。が、読み進めるなかで、どうも写真家メインで、もう少し時代背景とか基本的知識が欲しいなぁと思っていたら、あとがきに三部作の三部目であり、そうしたところは前作参照とあった。そうします。2015/03/24
いなお
1
中山岩太をこの本によって知ることができたのが幸いだった。文章もこういった本にありがちなふわふわしていてよくわからない表現も無く、例えば題名である都市の視線がどのようなもののことかを明確にしておりストレス無く読めて好ましい。2018/11/01
hosakanorihisa
1
一章の「都市の視線--モダニズムとしての新興写真」はすばらしいのだが、二章以降になると急に伝記的作家論になってしまったのが、僕には残念。このまま、時代の空気というか記号論というか、トポスを読みたかった。 2012/05/30
i-miya
0
2005.12.28 P014 1839 ダケール 写真 1920 -30 近代写真 モダン・フォトグラフィー P022 名取洋之助 万能アーティスト マン・レイ P024 見る者と見られる者 夢野久作 震災記事 バラックの色彩 関一 大阪市長 鉄とコンクリートとガラスによる都市 大阪、東京、名古屋、横浜 2006/01/06