内容説明
インドの風土の中で、釈尊が如何に生き、如何に悩み、如何に悟りを開いたか。そのすべてがここにある。
目次
第1章 誕生
第2章 若き日
第3章 求道
第4章 真理を悟る
第5章 真理を説く
第6章 有力信徒の帰依
第7章 晩年
著者等紹介
中村元[ナカムラハジメ]
1936年、島根県生まれ。東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。元東京大学名誉教授。仏教思想・インド哲学の第一人者。99年没
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感想・レビュー
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ふくとみん
15
理解できないところもあるのだけれど、わかりやすく身近にみるように書かれてある。特に釈尊の亡くなる最後の章は身に迫る。ただ引用文の出典が書かれてあればと思う。中村元先生にとつてはわかりきったことなのかもしれないが。2024/09/27
白義
13
仏教の開祖と伝えられる釈尊、ゴータマ・ブッダはその臨終の際にあっても仏教を説かなかった──あらゆる神話に満ちたブッダ伝を排し、考古学資料と文献批判を元に、歴史に生きた人間としての釈尊の人生を描いた名著。そこには後年整理される縁起説といった高踏な概念すら出てこない、ただ人々に様々な実践的な教えを説いた一人の思想家が現れてくる。50年以上前の著作だが未だに違和感なく瑞々しい印象すら持ってすらすら読めるのは驚異的。生涯の逸話の背後にある時代の流れや神話が膨らんでいった過程も推測を交えて語られており光る記述が多い2017/11/05
umeko
13
抱いていたゴータマ・ブッダのイメージが、いい意味で壊された。時代背景も垣間見え、勉強になった。2015/10/21
roughfractus02
9
ゴータマは姓であり、シッダッタは目的達成の意であり、ブッダは真理を悟った人であり、釈迦はシャーキヤ族の漢字の音写である。そんな名で呼ばれた男の実体を掴もうと原始仏典の古層に分け入る著者は、この男が仏教なる宗教の教えではなく、どんな宗教家も辿る「真実の道」を説いたにすぎないと結論づける。貴族に生まれ、老いを憎む我が身が老いて死ぬことの世の無常に苦しみ、妻子を捨ててより善く生きるために悟りを開いたとされるこの男は、45年の間夥しい人々と対話し、他人ではなく理法(ダルマ)に従う生き方を説き、体調を崩して死んだ。2021/04/08
HANA
8
伝説に彩られた存在ではなく、あくまで史実としてのブッダの一生を描いた一冊。やはり後世の超人より一人の人間としての存在のほうが、読んでいて素直に自分の中に入ってくる。当時の社会情勢や集団改宗等教えられることの多い一冊であった。原始仏典をもう一度読み返したくなる。2011/10/13
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