内容説明
幕藩体制の中核をなす参勤交代。諸大名にとって厄介な制度ではあったものの、しかし一方で、街道の宿場を経済的に潤し、文化伝達の役目も果たしていた。江戸随一の雄藩・加賀藩は、いかにして参勤交代に臨んだのか。その実情を克明に描き出す。
目次
第1章 参勤交代制度の概要
第2章 参勤交代の季節
第3章 大名行列の人数
第4章 大名行列の編成
第5章 参勤交代の通る街道
第6章 大名行列と宿場町
第7章 大名行列の諸費用
第8章 参勤交代と藩財政
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中寛一
9
加賀百万石といえども、参勤交代で多額の借金を抱えることになっていくとは。読書メーターでも2度めの登録となるが、大変なことがわかる。行列の人数など細かく記載されている。経費についても、米、利息、手間賃・労賃などいくつかの方法で、現在の金額に対応させようとしている。米なら約4億円、利息なら5億、労賃なら7億以上。大変な額だ。藩だけではなく、藩主に従って行く家来にとっても持ち出し分が多くて借金をしながらでないと行けないという。断りたい家来も多かったようだ。2022/06/03
kyoko
5
とても興味深い内容だった。加賀藩の史料を元に、参勤交代のロジスティクスが具体的・丹念に描かれている。浅田次郎さんの「一路」「大名倒産」「流人道中記」などを思い出した。2020/09/02