平凡社ライブラリー<br> 超哲学者マンソンジュ氏

平凡社ライブラリー
超哲学者マンソンジュ氏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582764314
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

一九六〇年代、知のメッカ、パリに登場し、ロラン・バルトの薫陶を受け、ポストモダニズムの金字塔『文化行為としての性交』(クスクス出版局刊)を世に問い、忽然と行方をくらました謎の思想家アンリ・マンソンジュ。不在の哲学者を求めて摩訶不思議なる探求が始まる。カズオ・イシグロ(一九九〇年度ブッカー賞)を指導した英国の大学教授が放つ痛快無類の思想小説。

著者等紹介

ブラドベリ,マルカム[ブラドベリ,マルカム][Bradbury,Malcolm]
1932‐2000。イギリスの小説家・批評家・大学教授。イングランドのシェフィールドに生まれる。マンチェスター大学で博士号取得。1959年、英文科主任教授を主人公にした『人を食べるのは間違っています』(Eating People Is Wrong)で作家としてデビュー、ほぼ半世紀にわたり、デイヴィッド・ロッジと並ぶコミック・ノヴェルの名手として活躍し、多数の作品を発表。1965年よりイースト・アングリア大学(ノリッジ)でイアン・マッキューアン、カズオ・イシグロら若手作家の育成に貢献。特にアメリカ小説に造詣が深く、編著・批評書も多い。ノリッジで歿

柴田元幸[シバタモトユキ]
翻訳家、東京大学文学部助教授。1954年、東京都に生まれる。オースター、ミルハウザー、エリクソン等現代アメリカ文学の翻訳を多数手がける
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

20
森見登美彦は京都をパロディし、魔夜峰央は埼玉を、筒井康隆は社会を戯画にする。ブラドベリは現代思想をパロディした。しかし、いささか森見登美彦の感も覚える明確なパロディに隠れた、「不親切な」パロディをもパロディであると認知するためには、構造主義、ポストモダニズムについて学んでおく必要がある。しかるのち再読したい。しかし、再読したいという本は再読されない。再読される日は不在であることによって現前性を与えられ、存在しうる。ゆえに不在の決意もまた存在しうる。決意が不在であるように、本感想も不在といえる。知らんけど。2021/10/15

Ecriture

18
私がマンソンジュを熱心に読んでいたのは大学院に入ったばかりの頃だったが、当時はデリダに脱構築への示唆を与え、ラカンのファルスを批判しえたかに見えたフェミニズムの幻想にくるまれたヴァギナ性をも指摘したマンソンジュの知見に驚愕した。「作者の死」とは言いながら作者として顔を出さずにはいられなかったバルト以下実在のごく普通の作者(哲学者)たちの矛盾をつき、作者の「不在の不在」としてポスト構造主義を徹底して追求したマンソンジュは、間違いなく現在においても「ポスト~」と名のつく(非)思想を語る上で最重要人物であろう。2013/12/22

どらがあんこ

11
リズムが良いから安心して読んでいけるはず。また索引や参考文献もあるので原文を参照する際には大いに役立つと思う。(円城塔の『次の著者につづく』に出てきたプラハの古書店ならマンソンジュ氏の著作を取り扱っているのではないだろうか…)2019/03/03

africo

3
脱構築の極北である稀覯書『文化行為としての性交』1冊を残し、自らをも脱構築して姿を眩ませた幻の思想家アンリ・マンソンジュの伝記、という体の構造主義/脱構築思想パロディ小説。不在の哲学者の残した非-哲学の考察は、デリダを引用していたりで小難しい部分も多く、ちょっとおっしゃることが解りかねます状態に陥る部分もあった。が、しばしば挟み込まれる(いい意味で)アホくさい文章はイギリスユーモア小説の伝統に則っていて、小説の作りとしてはポストモダンのはずなのに、印象は意外と古典的というか安心して読めたり。2013/01/01

たなしん

3
超絶技巧を駆使した文体による現代思想の記述。それは多分にパロディめいたものにならないが同時にもっとも誠実な著述スタイルでもある。マンソンジュ氏の不在を巡る著者の苦悩は、それ自体マンソンジュ的な虚実ない交ぜの様相を呈するのだが、複数の虚実レベルを行き交う行為はそれらの不可視的な境界を突破することで翻って両者の接点を知覚する行為に他ならず、両者の戦略的な詐術をも暴き立てる謀略として結実する。ふざけたように振舞いを見せはするが、本書はポスト構造主義まで行き着いてしまった現代思想の、何よりも見事な総括の書である。2011/03/01

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