内容説明
それは1989年夏、アジアの民衆活動家たちを招いて開催された「ピープルズ・プラン21世紀」が端緒となった。“世界先住民族会議”“水俣宣言”などをへて、著者の、1970年代以降の思想を点検、深化させ、21世紀にむけてのヴィジョンを問う。
目次
序章 「水俣宣言」からの出発
第1章 普遍主義と特殊主義―戦後日本国家を考える
第2章 普遍主義への批判と国際人権論
第3章 エスニシティをめぐる経験と思考
第4章 エスニシティ・階級・世界システム
第5章 エスニシティとアイデンティティ
第6章 反差別の論理と倫理
第7章 女と男―分断と抑圧の精神構造の中で
第8章 「開発」と「発展」についての物語と理論と
第9章 ピープルとしてのアイデンティティと共生
終章 ピープルはいつピープルになれるのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクロウ
1
地域に根ざしたエスニシティを基軸としたアイデンティティをベースに、水平な連帯を。暴力ではなく平和を、加害ではなく被害を、男性ではなく女性を。日本国を中央集権官僚制家父長制国家から解き放つための、草の根レベルでの連帯を地道に作り上げるしか、未来につながる道はない。2001年に出た書だが、2023年現在の日本のどん詰まり状況を見事に言い当てている。2023/09/03
ミカヅキカゲリ
1
アイデンティティと云うものに興味があったけど、可も不可もなく。2012/11/29
アナクマ
0
(p.258)関係性の中に、あたしたちの可能性があるというのも真理なら、他人サマに関われる範囲なんて極くわずかであるというのもまた真理。あんたが居ても居なくても、あたしの生き難さに変わりなし、しかしそれでもあんたに居て欲しいというその想いを毛布一枚、ミカン一袋に託す時、それはもはや「祈り」だ。(田中美津『いのちの女たちへ』から本書への引用部分)2016/11/03
-
- 電子書籍
- 強制救済フラワシちゃん【タテヨミ】(5…
-
- 電子書籍
- 東京大地震