内容説明
初めて沖縄を訪れてから五年。「沖縄と原爆の犠牲のおかげで生き永らえている日本人の一人」である画家は、「単純な一人の絵かき」に徹してこの絵本を描き上げる。その105の点描は、沖縄の歴史と暮らしの全体像を浮かび上がらせ、読者を島へと誘う。CDに収めた島歌とともに―。
目次
本島を歩く(屋根の上のシーサー;かやぶきの家;ハリアー・パッド基地 ほか)
離島めぐり(天の岩戸―伊平屋島;神アシャギ―伊是名島;耕す老人とはるかイエタッチュー―古宇利島 ほか)
付録 奄美列島の旅(与論島の高倉―与論島;二等船室にて―沖永良部島;草を運ぶ老婆―徳之島 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
3
2000年6月15日発行(初版)。オリジナル版は、晶文社より1989年7月、刊行。読んでいるうちに、先日読んだ『戦争案内』の著者だということに気がついた。著者の描いた絵による沖縄紹介だが、いわゆる「観光地」は登場しない。平凡社ライブラリー収録にあたっての「あとがき」は著者のご子息で作家の戸井十月が書いている。それによると、著者は本書発行の直前2000年4月17日になくなっている。本書の随所に、沖縄への著者の熱い想い、戦争を否定し、平和を熱望する想いが感じられた。2020/07/08
おきゅ
1
重い。2012/10/04
Isuke
1
古書、CD無。この本を手にとってはじめて著者を知りました。還暦を過ぎてから沖縄と出会い、足を運び、絵を描き人々と交流した著者を羨望のまなざしで見つめました。沖縄に生を受けた自分は何をしてきたのか? と。欲を言えばCDをつける予算で著者の絵画をカラーで収録して欲しかった。「最新の武器を持たされるたびに軍人は張り切ります。そして演習をやるたびにやる気を増します。私の経験です」(27p)「そしてニライカナイの思想は、きっと、海の民の、日の出と日の入りの思想ではないかと思いました」(190p)2011/08/31
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