平凡社ライブラリー<br> アシジの聖フランシスコ

平凡社ライブラリー
アシジの聖フランシスコ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582762129
  • NDC分類 198.223
  • Cコード C0314

内容説明

自らを小さき者の側に置き、平和と謙遜を説いた聖フランシスコ。日本人に最も愛される聖人の「清貧」の思想が現代社会にもたらす意義は何か。流麗で簡潔な文章、通俗的な聖人伝とは違う冷静な眼が随所に光る評伝の名作。

目次

第1部 教会を建てる人フランシスコ
第2部 福音を述べる人フランシスコ
第3部 神の歌い手
第4部 隠修士フランシスコ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

24
宗教が世界を動かしていた12世紀。十字軍による文明の衝突の他にも、神聖ローマ皇帝とローマ教皇の対立、都市間の争い、都市内の身分対立があった。この戦乱の時代にアッシジの聖フランシスコは無所有と清貧を主張し、フランシスコ会を創設。わが国との出会いは16世紀。現地化を否定した布教は秀吉が警戒心を抱かせ、後の禁教への伏線になった。一方、会の精神は20世紀になってもマザー・テレサに強い影響を与えた。広く知られる「平和の祈り」は聖フランシスコの作ではないが、その精神性を表すものとして教派、会派の壁を越え愛されている。2015/04/09

Foufou

8
個性と時代の合致。都市は皇帝派と教皇派に分裂、異端の台頭が教会権力を揺るがす時、純粋な使徒的生活を目指すFの思想は教会再建に利用される。原理主義を貫くFは主流を外れ、会派は大学と手を携えて教理主義へ舵を切る。言行一致もいいが、罪人だからと己の首に縄をかけてみたり、弟子を批判したからとその口を踏ませてみたりで、煙たがられる始祖。手遊びに拵えた杯のせいで祈りに集中できないと火に投じる逸話は、現実に対する内面改革より、現実のほうを教義に寄せる志向をキリスト教が本性として持つ証左。ここが決定的に相容れない。2020/06/13

amanon

4
十数年ぶりの再読。初読の時はそれなりにハマって読んだ記憶があるが、今回は今一つハマりきれず。半ば狂信的とも言えるフランシスコの信仰のあり方に憧憬を抱く一方で、ついていけないと思うことしきり。また、ここまで禁欲的になろうとするのは、当時のカトリックの腐敗に対する反動ではないか?という気にもさせられた。個人的に身につまされたのは、フランシスコの晩年。どんな人間も死は免れない。ましてや聖人と呼ばれる人の死はいやでも人々の注目を浴びてしまう。そうした中でいかに迫り来る死と対峙するか?この部分だけでも再読するか。2021/09/08

Seiei Ikeda

4
 連休を通してゆっくりと読みました。著者のヨルゲンセンはデンマークの詩人で文学的なエッセンスも随所に感じられるもので、初めての聖フランシスコ伝として良い出会いの書であったかもしれません。 読み始めたときは、こんな生き方は自分にはとても無理だと抵抗感をもっていましたが、聖人の足跡を辿り、彼の厳しくも美しい言葉の数々にふれ、読み終わる頃には自身の心に確かな変化が起きました。一番大切なこと・・・。何か一番大切なことを忘れて今まで生きてきた。読後、生まれて初めて、人生という道で歩みを止め、立ち尽くしてしまいました2013/05/06

Orange

1
西欧の歴史関連でよく目にする名前なので、なにか読みやすそうなのないかなと前から目をつけていた本が復刊してたので読んでみた。こんな人現代にいたら狂人だよ、と最初は思っていたのだけれど、どんどん好ましく思えてくる不思議。実際に会ったら、やっぱり惹かれてたんだろうなあ。2020/11/17

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