内容説明
栄華の絶頂にある賈家、宝玉の姉元春は宮廷で貴妃にとりたてられ、贅を尽くした別院、大観園が完成する。物語はその主舞台をここに移し、漂う死の予感とともに、いよいよ妖しく華やかに展開してゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
20
立身出世が小さくない関心事だった光源氏と違ってそのようなことに関心をもたず、塾もさぼりがちで遊ぶことばかり考えている宝玉の生き方は、与えられた男性性を否定しているようで面白い。女の子の髪をとかしてやったり、つむじを曲げて引きこもった子をなだめたり、実家に帰りたいという侍女にそばにいてくれと泣きついたり、やさしいというか甘えているというか、女の子に人気があるのもわかる気がする。隠然と君臨する賈の後室や辣腕で家計を切り盛りする王熙鳳などの個性豊かな女性たちに比べて男性たちの存在感のなんとも薄いこと。2022/04/08
八日目の蝉
3
72014/04/17
紫暗
0
長いシリーズの二巻目なのですが、想像以上に話が展開した気がします。登場人物の中で何人かはここでいなくなったりもして意外でした。もう少し後の方まで登場する重要人物のような気がしていたのですが…。主人公がようやく女性達と恋愛らしきものを始めるのがこの巻です。他にも気丈な若奥様の手腕が光る場面も色々と出てきました。延々と詩を吟じていたりという退屈な場面もありますが、話が展開し始めるとなかなか面白そうな気配が漂ってきました。2012/05/21
Mana
0
貴妃になった姉・元春の里帰り。こんな早い段階でのイベントだとは思わなかった。もっとクライマックスでのイベントなのかと。みんなで詩を読むんだけど、出来不出来がよく分からない。私にも漢詩の素養が欠けてるのもあるし、詩は小説よりもなお翻訳が難しいものだとも思う。2021/11/21
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