内容説明
イタリアを巡り歩くうちに、幾層にも時間を遡るもう一つの旅が始まる。―(パヴェーゼのトリーノ、ジョイスのトリエステ、D.H.ロレンスのサルデーニャ島。)人間の生と死、文明の過去と現在について想いをめぐらす、伊文学者の〈自分への手紙〉。
目次
落書の都 ローマ
霧の拱廊 トリーノ
死んだ港 トリエステ
子供の楽園 ペッシャ、コッローディ、フィレンツェ
美神の海 レ・チンクェ・テッレ
詩人の塔 モンテロッソ
文明と歴史の孤島 サルデーニャ
氷河と蝶 クールマイユール
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
254
著者の河島英昭はイタリア文学者。訳書はこれまでに何冊か読んだが、エッセイは初めて。結論から言えば、素晴らしい随想だった。同業の須賀敦子の深みに通じるところを感じる。年齢的には須賀が4年早くに生まれている。須賀はイタリアに住んでいたが、彼女もまた常に旅人であったように思う。河島は2度ほどイタリアに住んだ経験を持つようだが、この本ではやはりイタリアのあちこちを漂泊しつつ思索する。2人に共通するのは思索しつつも、その深みに沈潜してゆくのではなく、(あるいは沈思しつつも)そこに常に抒情を湛えていることである。2025/03/21
kaze
7
私の知らないイタリアがそこにあった。かれこれ45年くらい前のイタリアは経済的にめちゃくちゃ落ち込んでいた時期なのだな。国ごとに景気のサイクルって違うもんだな、というのを痛感。/海外旅行に行くのは、己の変容のためだ。そうだった。半年も生活しなくても、やはりなんらかの変容があるべきだし、そうでない旅など意味がない。たとえ観光客であろうと、どれほど些細であろうと、何がしかの変容を得ること。それを旅の目的にしよう。2025/12/10
ぞしま
7
本書を旅先のローマで読んでいた。これは……申し訳ないけど、私には合わない。 ウンガレッティの関連本はとても好きなのだけれど。2018/05/01
のうみそしる
2
日本におけるパヴェーゼ研究の第一人者による紀行文プラスα。有名な都市ではない場所も多いので、紀行文のところは楽しめたが、そのプラスα部分がくせもの。まるでいっぱしの文学者であるかのような気取った文章はまさに自己陶酔の極みといったところ。「名づけえぬものは淡い暁の光となって、果てしなく自分の内にとどまるかに見え、しかも足早に立ち去ってゆく。」「不在の自分が不完全な存在である自分を明らかにしようとする。それにまつわるほとんど虚しい行為が、書くことだ。」2017/01/19
takao
1
ふむ2020/12/12
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- 電子書籍
- 昔助けた最弱スライムが最強スライムにな…




