内容説明
警官殺しの正義。いじめ殺人の中の友情。日常生活の向こう側を駆け抜けた犯罪者25人の罪と病。
目次
エリート犯罪者の記録
凶器とアイデンティティ
正義・狂信・犯罪
かい人21面相への賛歌
カインとアベル
仕置人シンドローム
ナルシスト三浦和義氏の洞穴
駿河湾のローレライ
アイデンティティを求めた果てに
あるハレムの成立と崩壊
成功の寸前に破滅する人
修羅と菩薩は共存する
子殺しという罪
精神鑑定からみた現代〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
30
元警官でありながら強盗殺人を犯した広田死刑囚について一章割かれている。彼は京都府警に十五年も勤めながら巡査部長に留め置かれた。高所恐怖症でもあったことから「高いポスト」に昇っていくことに抵抗があったのではと著者は洒落のめすが、あながち冗談ではない。彼がいた西陣というのは京都っぽさが色濃い街。京都人は、決して排他的ではないが、千葉出身の彼にとっては、異郷どころか異国にも思えたのではないか。その疎外感や気後れが、左遷をきっかけに憎しみに変化し、事件に転化したのではと邪推する。2021/11/06