内容説明
2000年に62歳で斃れるまで、原発の危機を説き続けた「市民科学者」高木仁三郎が、その思想の全容を語りつくした名著、いま蘇る。
目次
第1章 資本主義・国家・科学技術(チェルノブイリ事故の衝撃;「テクノロジー」の語源;核技術と自己増殖作用;科学者の内発性;テクノロジーの三極構造;「たれ流し」とアメリカの発展;エコロジーの登場;法=三極構造をつなぐもの)
第2章 科学の「合理性」とは何か(文化のネガティブな機能;「合理性」という枠組み;レシプロカルな理性を;あめりか・インディアンの物理学;戦争とテクノリジー;ステータスシンボルとしての原発;臨教審の科学技術観;専門家の非自立性)
第3章 エコロジー運動と多様性(コンピューター・ハッカーのニヒリズム;科学はいまだにカルチャーではない;「自治体の科学」へ;サークル科学対リモコン科学;大学闘争の意味;エコロジーの現状;女性は最初の技術者である;ME技術の幻想性;生きる場としての運動;多様性の尊重;どん底からの出発)
著者等紹介
高木仁三郎[タカギジンザブロウ]
1938年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒業後、日本原子力事業に勤務。東京大学原子核研究所助手や東京都立大学助教授などを経て、都立大学退職後の74年にプルトニウム研究会を立ち上げ、翌年、在野のシンクタンク、原子力資料情報室を設立。70年代後半からは旺盛な著述活動を展開。87~98年には同情報室の代表を務め、反核、脱原発運動の先頭に立った。「反原発運動の理論的指導者」と言われ「市民科学者」と自称し、生涯を賭して警鐘を鳴らし続けた
関曠野[セキヒロノ]
1944年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業後、共同通信社に勤務。80年、同社を退職後、思想史家、評論家。82年に刊行の『プラトンと資本主義』(北斗出版)を皮切りに、資本主義批判、西欧の近代文明批判を軸に、政治思想史から教育論、政治経済学、科学・技術論など多岐にわたる著述活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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