出版社内容情報
1920年代、朝鮮に1人のダダイストがいた。彼の足跡を追い、当時の日本と韓国の文学青年たちの知られざる交流史を明らかにする。
内容説明
高橋新吉、辻潤、秋山清…大正の世にかりそめに咲いた前衛芸術の徒花。韓国文学史上唯一のダダイストの交友の軌跡から、その鮮烈な青春のきらめきをエピソード豊かに描く。刹那的な彼ら“三国同盟”の友情。日/韓式ダダ群像。
目次
序章 ダダと名乗った男
第1章 ダダ以前
第2章 東京留学
第3章 京城にて
第4章 再び東京、そして宮崎
第5章 それから
付録 高ダダのエッセイ
著者等紹介
吉川凪[ヨシカワナギ]
大阪生まれ。翻訳家。新聞社勤務の後、韓国に留学。延世大学語学堂で韓国語を学び、仁荷大学国文科大学院で韓国近代文学を専攻。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きつね
10
ダダイスト辻潤、高橋新吉、高漢容、秋山清の交流を描いて、周辺人物の点景を配置していく著作。秋山と違い、高にはアナキズムへの積極的関与はないなど(pp.111-112)、従来の辻潤評伝などに見られる誤りを正していく点も有用(ほかにpp.140-141など)。「『開闢』(ケビョク)一九二四年二月号の「日本文壇の最近傾向」という文章の中で朴鍾和(パクチョンファ)は、関東大震災後の混乱した日本文壇の状況を伝えつつ、「このように文壇階級闘争が起こっている一方で、「ダダはダダだ」と宣言するダダイスムの本尊辻潤、詩人高2015/07/28
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