目次
第1章 ローマの子どもたち
第2章 天才の失われた諸都市
第3章 神は数字に宿る
第4章 星の構図
第5章 発明家たちと科学者たち
第6章 癒すものと病院
第7章 ヴィジョン、声、城砦
第8章 啓蒙的指導性
著者等紹介
モーガン,マイケル・ハミルトン[モーガン,マイケルハミルトン][Morgan,Michael Hamilton]
アメリカの小説家、ノンフィクション作家、外交政策を専門とするジャーナリスト。元国務省の外交官で、その後新平和財団を創設、主催している。若いひとびとに異文化理解の重要性を伝え、そのリーダーシップを養成するのが目的である。また1990年から2000年まで国際ペガサス文学賞を主導し、助言者となっている
北沢方邦[キタザワマサクニ]
構造人類学、科学認識論、音楽社会学専攻。桐朋学園大学教授、信州大学教授、神戸芸術工科大学・同大学院教授を経て、信州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
副題:イスラームの科学・思想・芸術が近代文明をつくった 2018/01/28
メルセ・ひすい
3
14-08 赤14-09近代天文学及び、西洋文明の祖・コペルニクスはイスラーム天文学を継承したものである。15世紀末レコンキスタによりスペインのイスラーム文明は崩壊。彼は伊に留学し、パドゥアやボローニャ大でギリシャ語、アラビア語を習得。図書館でアル-トゥシ- アル-シャティルやアル-ウルディなど13~14世紀のアラビア語天文学・数学諸文献を直接渉猟し、それらの理論を借用し、地動説を裏付けた。中世イスラームがいかに先進的な知を創造し、それらはどのように近代西欧科学・思想に影響を与えたかを説く2010/10/23
koji
2
多少の誇張はあるにせよ、埋もれた歴史に光を照らす1冊です。個人的には、第8章「啓蒙的指導性」が気に入りました。「権威主義的範型と帝国の権力点検の欠如は、カリフたちやムスリム支配階級の信じがたい冨と結びつくことによって、弱い専制的支配者たちをつねに誘惑する。・・啓蒙的君主となるには・・みずからを律することである。・・公正で情愛深い指導性の理想は、後続する良き指導者たちのために・・常に存在しつづける」(p376)。中東・北アフリカの混迷を見るにつけ、イスラムの奥深さをつくづく考えさせる言葉です。2011/02/05
夢仙人
1
ギリシャ・ローマの知的遺産がイスラムを通してヨーロッパに伝えられたことを改めて認識出来た。素晴らしい本。2014/11/23
メロン泥棒
1
中世イスラム文明がヨーロッパ文明に影響を与えたという本は多数あるが、本書もそのなかの1冊。書き方が現代イスラム人の話から過去にさかのぼりその源流となった人物を中心に解説するという評伝風の書き物になっているのが特徴的。読んでいていくらなんでも中世イスラム文明を持ち上げ過ぎじゃないかと思う部分もあるが、その辺は客観的に分析した書物と言うよりもあくまで読み物としてとらえた方が良いかもしれない。2010/10/25