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テオリア叢書
境界を生きた女たち―ユダヤ商人グリックル、修道女受肉のマリ、博物画家メーリアン

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  • サイズ A5判/ページ数 461p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582744286
  • NDC分類 283
  • Cコード C0323

内容説明

夫に先立たれた後、商才を発揮し、12人の子供を育て上げたユダヤ教徒グリックル。一人息子を残し、新世界へ布教に赴いたカトリック教徒受肉のマリ。敬虔派からラバディ派に改宗し、スリナムで博物画の傑作を遺したメーリアン。17世紀、宗教的境界を生き、他者と出会い、ジェンダーの矩を越えた三人の女の強烈な生涯。

目次

序文
神との問答―グリックル・バス・ユダー・レイブ
新世界―受肉のマリ
変態―マリア・シビラ・メーリアン
結論

著者等紹介

デーヴィス,ナタリー・ゼーモン[デーヴィス,ナタリーゼーモン][Davis,Natalie Zemon]
プリンストン大学ヘンリー・チャールズ・リー歴史学名誉教授。現在はトロント大学教授。歴史学、人類学、中世学を担当。同大学比較文献学センター特別研究員。専攻は都市リヨンを中心にした16‐17世紀フランスの宗教生活・民衆文化・ジェンダー研究

長谷川まゆ帆[ハセガワマユホ]
東京大学教員。専攻はフランス近世史、歴史人類学、ジェンダー研究

北原恵[キタハラメグミ]
甲南大学教員。専攻は表象文化論、ジェンダー論、美術史研究

坂本宏[サカモトヒロシ]
東京大学大学院人文社会系研究科(西洋史専攻、博士課程)在学。現在マドリード自治大学(文・哲学部近代史学科、博士課程)に留学中。専攻はスペイン近世史
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やきそらまめ

2
冒頭のト書きに駄本かと危惧したものの、本編は実に面白かった! 17世紀に生きた突出した能力を持つ、だけど時代にしっかりと根を下ろして暮らした3人の女性の話。声高なフェミニズムに陥らない筆致が良い。52歳にして娘と2人、虫の絵を描くためにジャングルに渡ったメーリアンはかっこよすぎる。2009/08/31

singoito2

1
著者の「贈与の文化史」が面白かったので読んでみました。17世紀の庶民の女性3人、ユダヤ教徒、旧教徒、新教徒と文化的には異なる背景を持ちながら、妻として母として自己の人生を作り上げた女性群像に実は著者の思いが投影されている。西欧社会の周縁文化史や女性学に興味のある人にはお薦めできます。原注と訳注もとても親切。2021/01/23

M

1
17世紀の西欧において、性を含め越境性を持った3人の女性のライフヒストリーを題材に職業経験、宗教、生活文化などを軸に相互比較している。特にユダヤ商人の生活文化が興味を持った。17世紀にはキリスト教徒の女性が市壁を出ることなく、小売業に従事しているのに対し、ユダヤ教の女性は取引所に自らの足で通ったり、ユダヤ法が女にだけ課す最低限の義務は二つのみであることから女性の自由が相対的に尊重されていたこと、男性はヘブライ語での記述、女性はイディッシュ語での記述が推奨され、道徳的遺訓を次代に残すなどは印象的であった。2020/02/20

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