内容説明
革命の主たる成果は資本主義の発展でも近代化の促進でもなく、政治文化の変容、つまり政治的闘争の場で新たな形式と意味を帯びたレトリック、シンボル、儀礼の劇的な創造だった。
目次
序説 フランス革命の解釈
第1部 権力の詩学(フランス革命のレトリック;政治的実践の象徴形式;急進主義の心象表現)
第2部 政治の社会学(フランス革命の政治地理学;新しい政治階級;アウトサイダー、文化の媒介者、政治的ネットワーク)
結論 政治文化における革命
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
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革命の象徴ヘラクレスはやがて労働服になり、棍棒を持ち王を食らう人民像となった。この粗暴な像にロゴスを与えようとした急進派には矛盾があったが、革命は決して絵空事ではなく共通の願望に基づく「政治」だったという。著者はルソーの人間再生テーマが様々な言説やシンボルとして展開していく政治文化に着目し、レトリックを分析している。またアミヤン、ボルドー、ナンシー、トゥルーズ各市の違いや、革命を進めたプロテスタント、ユダヤ人、教師、商人らそれぞれの動機について考える。これはマルクス主義など機能的革命論への訣別でもあった。2019/11/03
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近現代史を勉強するのであれば、対象の地域を問わず、もはや必読と言われる一冊。うーん、、、読み終えたはものの、毎度のごとく、まだ自分の感想をもつまでにはちょっと力不足でした。内容を追うだけで精一杯です。ただ、歴史家として、統計など多様な手法を駆使している姿には純粋にかっこよさを感じました。また時間が経ったら読み返さなくてはいけません。2013/12/10
こねほ
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フランス革命に、古典的・マルクス主義的解釈、それに反論する修正主義的解釈以外の「政治文化の改革」という解釈を提唱した本だそう。革命によって経済活動ではなく、政治と文化のあり方を変えることが、当時の革命的ブルジョワジーたちの狙いだったとする。古典的に証明できない、革命の後の経済停滞や、修正主義がいまいちはっきりさせられない革命の意味について、このアプローチで少し説明できるのかもしれない。しかし、やけに難しい本でした。。。2012/07/01
三門 優祐
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以前から読みたかった本。とりあえず一読したのみ。2009/09/23
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