目次
聖書の勧めとその区分
聖書の勧め
存在者と本質について
ボエティウス三位一体論註解
ボエティウス・デ・ヘブドマディブス註解
命題論註解
形而上学註解
知性の単一性について―アヴェロエス主義者たちに対する論駁
離存的実体について(天使論)
使徒信条講話
種々の敬虔な祈り
兄弟ヨハネスへの学習法に関する訓戒の手紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マウリツィウス
20
古代ユダヤ教以降の宗教論を投影した《アクィナス『神学大全』》、「新約的」と称されるもその側面本質は「旧約」-つまり古典主義的ではなく《旧教》と名付けられる通りだろう。古典と神学の調和融合は仮初としての「幻想主義」でもある。その古典様式論が「神学」位置を《強烈に》意図した。つまりプロテスタントとの対峙存在ではなくローマ帝国支配を批判したアウグスティヌス系列を逆参照することでウルガタ以降の復帰論をも提唱する。この方法論前提が新約聖書/旧約聖書の統治矛盾性を克服。アクィナスの大著性は様相を呈していく過程主義論。2013/09/19
roughfractus02
8
前巻『盛期スコラ学』を念頭に読むと、様々な会派が乱立する中、総体(universitas)と大全(summa)を求める力がトマス・アクィナスの著作を作り上げたかに思える。ナポリ大学に入り、ベネディクト会から清貧派ドミニコ会に移った彼は、アルベルトゥスからアリストテレス哲学を学び、プラトンを読むことで、生涯にわたって異教的知とキリスト教信仰の綜合を模索する。ケルンからパリへ、さらにローマからパリへ移る中、彼はアリストテレス解釈を精緻化し、論争の只中で知と信の体系化を志向する(比較的短めの主要12編を収録)。2019/05/30




