出版社内容情報
自伝的記憶とは、人生の過去に関する記憶のすべてを意味する言葉である。自伝的記憶の語られ方、および心理療法プログラムのなかでどのように扱うべきかを、具体的に論述する。
内容説明
人生の過去の出来事に関する「記憶」、それは苦しみももたらすがまた喜びの源泉でもある。この「記憶」を心理療法のなかでいかに扱うべきかを多角的に問う、画期的な試み。
目次
第1部 自伝的記憶の語り(自伝的記憶の整理としての心理療法―トラウマ性記憶の扱いをめぐって;精神分析臨床と自伝的記憶の扱い―現代自己心理学のシステム理論から;人生のナラティヴと心理療法)
第2部 生涯発達からみた自転的記憶(発達障害におけるタイムスリップ現象;青年期臨床からみた子ども時代の記憶―自我体験の想起と語りの意義;発達障害のある子どもをもつ親の自伝的記憶―その経験の意味の再構成)
第3部 自伝的記憶へのアクセス(アタッチメントの記憶と臨床―AAIにおける記憶へのアクセス;身体志向のトラウマ・ケアにおける自伝的記憶の「非」重要性;トラウマの記憶想起に焦点をあてた心理教育プログラム―「思い出すこと」がもたらす弊害を乗り越えるために)
著者等紹介
森茂起[モリシゲユキ]
1955年生。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。甲南大学文学部教授。専門は臨床心理学、トラウマ学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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