内容説明
糞たれよ 果てしなく 尽きることなく―『祝福の辞』。私のケツを舐め給え、すっかりきれいに清潔に―モーツァルト『おぉ、とんまなマルティン』(ケッヘル560b)。たぐいまれなるドイツ文化論、糞便のフォークロア。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
12
「鳥屋の梯子と人生は-そも短くて糞まみれ」(ドイツの俚諺)。アメリカ民俗学会の重鎮が、ドイツのフォークロアに顕著な糞便乃至肛門性愛的表現をかき集め、ぶりりと捻り出したドイツ文化論。時代によっては糞書、もとい焚書の憂き目をみてもおかしくない奇書であり、稀にみる肛著、いや好著である。お気楽でノーテンキな俗謡や謎謎、ドイツの偉人たちのスカトロ・トリビアに思わず吹きだしながら読み進めていく内、話題はいつしかアウシュヴィッツの忌まわしい記憶にまで至り、下ネタには寛容なはずの私もこれには若干引いた。(コメントに続く)2011/09/01
unknown
7
日本においては、かの有名な「みっちゃんみちみちうんちして」のわらべ歌には地域によって微妙な違いがある[ http://is.gd/q287C4 ]そうだが、本書はドイツのスカトロジックなフォークロアをアレコレ集めたもの。大小さまざま、よくまあこれだけ集めたなと、著者の探究心に脱糞、もとい脱帽。「うんこに湯気が立っている」という慣用表現が「ひどいことになった」という意味になるとか、実が出る、もとい実にならない知識が無駄に増える愉しみ。イイ大人になってもうんこネタで笑える純真かつ寛容な心を忘れないために。2012/04/11
印度 洋一郎
5
ドイツの民衆文化におけるスカトロジー、糞尿、肛門、便所に関する存在感の大きさを、豊富な類例を傍証にしながら考察した奇書。近代ドイツでも農村では玄関横の牛糞の山が富の象徴であり、「クソ」の含まれるドイツ語の慣用句や俗謡や詩は枚挙に暇が無く、ルターやモーツァルトの書簡や手記にも「クソ」「ケツ」の引用が頻繁に登場、とドイツ人のあくなき糞便愛が語られる。子供のトイレ訓練への執着、自分が出した大便への飽くなき関心、そして、その言及はアウシュビッツの糞便事情という恐るべきものへと到達する。一見際物だが、深い内容だ。2015/05/16
ときのき
0
楽しかった。2011/11/26
ivnin
0
ドイツの肛門・糞便に関するフォークロアなどの多岐にわたる収集によって、ドイツ人の国民性について解き明かす。2010/09/25
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