感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウリツィウス
11
フィオレのヨアヒムの予言する黙示録終末観は現代のハルマゲドンを提示したのではなく否定弁証法神学の手法により中世の混迷期を改心へと導く正しき信仰像の確立のことだ。幻視にて示された象徴寓意としての千年王国はイエスの再臨を否定するものでは従来なく忘却に葬られる中世神学への回帰を求めた姿にある。異端思想との共鳴性を確かに批判した聖書註義講解は具象化権限の普遍誤謬を無力化している。省みるべきは後世における黙示録解釈への恣意性であり根源はここには存在していない。真実は鮮明だ。複数混合黙示録外典集はヨハネに統一される。2013/05/06
toiwata
2
どうやってその結論が出てくるのか全く手がかりがつかめないが、それにもかかわらずひとを惹きつける思想というものが、この世界には存在する。同じテキストを読んでくるのもかかわらず、あいいれない立場となる不思議。西欧の中世には謎があるとしか言いようがない。2016/12/06
いとう・しんご singoito2
1
聖書の霊的理解により過去の歴史と来たるべき未来と終末を理解しようとした12世紀の神学者の思想を解説している。分かりやすく書いてくれているけれど、象徴的理解が現代的な論理には神話的なコジツケや作り話のように感じられて読解に身が入らず、結局、斜め読みになってしまいました。2021/07/22
陽香
0
199705192013/07/11