内容説明
ベルクソン、フロイト、ベイトソンの思想、モリエール、カフカ、サルトルの文学、チャップリンやタチの映画などの新しい読解から、この永遠の謎の解明に一石を投じる、ブルデューとともにLiber叢書を立ち上げた現代フランスの知性による画期的な哲学エッセイ。
目次
夢と笑いの隠れた照応
ベルクソンの方法
びっくり箱、操り人形、雪だるま
狂気との関係
モリエール、越境する喜劇
滑稽さと不気味さ
滑稽さと不条理
“枠”という補助線
ベイトソンの視角
カフカ的宇宙、そして
フロイト“不気味なもの”
二重化と一体化
笑いという生の領域
著者等紹介
ジリボン,ジャン=リュック[ジリボン,ジャンリュック][Giribone,Jean‐Luc]
1951年、マルセイユ生まれ。エコール・ノルマル・シュペリウール卒。アグレジェ(高等教育教授資格者)となり、イェール大学でフランス語を教える。スーユ書店に入社し、La couleur des id´ees叢書を企画、さらに、ピエール・ブルデューとともにLiber叢書を立ち上げた
原章二[ハラショウジ]
1946年、静岡県伊東市生まれ。パリ大学博士(哲学)。現在、早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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里馬
5
(´c_`*)2010/11/23
スノーシェルター
4
ごめんなさい。間違えました。なんとなくしかわからない。フロイトとベルクソンを理解してから、読むべきでした。出直します。2010/09/21
鹿乃
2
ベルクソンの「笑い」は読み途中、フロイトの「不気味なもの」に至ってはまだ読んですらいない訳なのだが、滑稽で笑える事と不気味なものがどちらにも転び得るという考えは本書を読んで納得出来た。簡潔さが良いと思う。学術論文はかくあるべき(ダラダラ書かれると読むの疲れるし)。2012/10/04
林克也
1
笑いと不気味なものとの関係性に着目したところは敬服。 「人間は必然的に狂っているので、狂っていないということも狂気の別の様態において狂っているということである」パスカルーパンセ。納得。 2010/10/17
ねぎとろ
1
笑いとは不思議な現象で、分析しようとすればするほど、分析する側が滑稽に、つまり笑われる側になってしまうという厄介な性質をもつ。だからこれまでの笑い分析はあまりうまくいかなかった。この本は視点を変えて、笑いと不気味という対比から、人間にとってなぜ笑いが必要なのかを分析している。こういう展開の仕方があったのかという感じ。いいもの読んだ。2011/11/25