出版社内容情報
9・11以後、地政学に基づく旧式の戦闘が終焉、全世界大のメトロポリティック・テロリズムがそれに取って代わったと説く新戦争論。
内容説明
「他の場所がこの場所で始まる」―グローバリゼーションの速度学的帰結。第三千年紀、戦争からテロリズムの世紀へドロモロジストによる新戦争論。宣戦布告なき戦争。
目次
タブラ・ラサ
感情民主主義
戦争通行路
時間の事故
パニック都市
場所の黄昏
著者等紹介
ヴィリリオ,ポール[ヴィリリオ,ポール][Virilio,Paul]
1932年パリ生まれ。絵画やステンドグラスの制作から出発するが、1960年代からは建築と都市計画を主たるフィールドとし、建築大学(´Ecole Sp´eciale d’Architecture)でも教鞭をとる。1975年の『トーチカの考古学』(Bunker Arch´eologie)から本格的な執筆活動を始め、2007年2月に刊行された『サイバーワールド、最悪なるものの政治』(Cybermonde,la politique du pire)にいたるまで、テクノロジーと芸術と戦争とメディアに関する数多くの著作を発表しつづけている
竹内孝宏[タケウチタカヒロ]
1967年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得。現在、東京大学教養学部教員。表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむだ
2
sd.2010/10/13
三山
1
文章のいたるところに、前提となる知識を必要とする文言が散りばめられていて、読むのが難しかった。ひと通りは読んだけれども、内容をきちんと理解はできていない。 が、脱出速度の示す意味は興味深かった。2013/08/08
Mealla0v0
0
冷戦=抑止体制の崩壊後、世界は加速し、純粋戦争は事故へ、恐怖の均衡は不均衡へと変化した。このような今日の速度体制をヴィリリオはリアルタイムの専制と呼んだ。事故も恐怖も遍在している。それは遠隔通信手段による瞬間の君臨の結果というのだ。情報戦争は知覚を喪失させ、明滅するイメージのコミュニケーション兵器が重視される。そして、感情や恐怖の管理、つまりパニックが問題となるのだ。そうしたなか、都市国家=警察国家が再来する。だが、リアルタイムに恐怖が訴えられれば、それはループする。かくして、世界は砂漠化してしまうのだ。2017/07/13
高円寺
0
「砂漠」の隠喩をなかなかうまく把握できなかったけれど、読み通してみて、土地の平板化や距離の無化のような「消失の美学」を表すために用いているのか、と思った。読み返したい2012/10/14
facecrime
0
今読んでもおもしろかったけど結論は意外と穏当?2021/08/03