憲法は、政府に対する命令である。

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582702637
  • NDC分類 323.14
  • Cコード C0032

内容説明

日本国憲法が決めているのは、政治政策決定システムだけではない。「政府」とは何か、「政府」と「国民」とがどのように関係しているか、「市民社会」、「人権」、「平等」、「政治活動」、「国の安全保障」などが描かれている。そして日本国憲法は、もちろん「理想郷」を構成する憲法ではなく、弱点、批判するべきところもある。ただ、読者のアイデンティティの一側面が「市民」である以上、そのアイデンティティは憲法に密接に結びついている。つまり、「憲法なんて、私は関係ないよ」といえる国民はいない。そのことをわかっていただければ、著者としては満足である。

目次

第1章 憲法が国のかたちや人びとの生活を決める
第2章 国民には、憲法に従う義務があるか
第3章 前文の「われら」とは、誰のことか
第4章 日本国憲法は、誰が誰に押しつけた憲法なのか
第5章 押しつけられた第九条と安保条約の意味
第6章 人権条項は誰のためにあるのか
第7章 思想・表現・言論の自由はなぜ必要か
第8章 平等のさまざまな意味
第9章 政治活動は市民の義務である
第10章 政教分離はなぜ必要なのか
第11章 憲法の原則を変えることは、もはや「改正」ではない

著者等紹介

ラミス,ダグラス[ラミス,ダグラス][Lummis,C.Douglas]
1936年、サンフランシスコ生まれ。カリフォルニア大学バークレー本校卒業。専門は政治学。1960年に海兵隊員として沖縄に駐留。61年に除隊。80年津田塾大学教授。2000年3月、同大学を退職。現在は沖縄を拠点とし、執筆や講演などを中心に活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

20
憲法は「政府の権力・権限を制限」(65頁)するものであり、主権者である国民からの政府への命令であるとする。国家権力制約規範としての憲法の特徴を政治思想を踏まえながら説明している。実は「第一条から第四〇条までのほとんどが、中央政府の権力・権限を減らす条項である」(69頁)という。 また、改正は「この憲法と一体をなすもの」とあるので、「主権在民、基本的人権、戦争放棄」の三原則のどれかと矛盾する改正案は改正にならないとする(164頁)。いま政権与党から提案されている改正案はこの三原則に矛盾する。自由を守るべし。2021/07/16

スターライト

7
タイトルにある通り、憲法は政府(もしくは権力者)が国民を従わせるものではない。むしろ逆で、国民が政府を従わせるための根拠となるものだ。この当たり前のことを、憲法に対して普段耳にする批判にも答えながら、憲法についてやさしく解き明かしてくれる。著者が外国の人というのも驚きだが、もと海兵隊員なのに沖縄を拠点に執筆や講演を行っているという。本書を読むと、憲法を「改正」しようとする人々がどのような社会を作りたいかがわかるし、それに対する痛烈な回答も学ぶことができる。2017/03/01

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

6
2006年著。憲法について無知もいい所なので、つぶやきから知った方の感想を参考にして選んだ一冊。憲法についての基礎知識や日本国憲法と明治憲法の違い、成立の歴史的背景など大変ためになる内容だった。それは同時に「よく分かりもしないで護憲派を気取っていた」我が身への警句であり、教条主義的でない真の護憲派を目指すための一歩としたい。ページ数は多くないが、それほど難しい本でもないし、今後も長く憲法問題を考えるための一冊としておすすめ。→続く2021/07/27

ケニオミ

5
もともと憲法改正には反対でしたが、最近日本国憲法作成の舞台裏の書「1945年のクリスマス」を読んでその想いを強くしています。また、今回本書を読んで、憲法第12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」が謳う努力を自分はしているだろうか考えさせられました。アリストテレスが説くように、代表の民主的な選び方は選挙ではなく、抽選が良いのかもしれません。抽選だと、次は自分が選ばれるかもしれないと準備をしなければなくなりますからね。妙に納得してしまいました。2013/09/11

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