出版社内容情報
私たちは、何をみているのか?
初代・三遊亭圓朝が生み出した、古典落語の名作『心眼』。あんま師・梅喜の薬師様への
願掛けの思いが叶って、目が見えるようになると……。
古典落語の名人・柳家権太楼の口演を写真家・大森克己が、その一部始終を撮影。
見えること/見えないことをめぐる、「落語」と「写真」のスリリングな格闘――。
【引用】
誰も観客のいない白いホリゾントに座布団を置き、ライティングをして権太楼師匠にそこ
に座っていただいて『心眼』を初めから終わりまで、ボクがその一部始終を写真撮影する
というためだけに落語をやっていただけますか? とお願いしたのが2017年の夏の終わり。
板橋の蕎麦屋で撮影の趣旨を説明したところ、間髪入れず快諾していただけたのだが、楽
しそうな顔をして師匠は仰った。「やるよ。オレは落語をやるだけだから。大森さんはそれを
どうにでも撮って下さい。どうなるかわからないけど、出来上がるものは……きっと
そりゃ、落語じゃねえな」。
その言葉を聴いてボクはうれしくなった。
――「あとがき」より
内容説明
初代・三遊亭圓朝が生み出した、古典落語の名作『心眼』。あんま師・梅喜の思いが叶って、目が見えるようになると…。名人・柳家権太楼の口演を、写真家・大森克己がその一部始終を撮影。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaz
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心眼はよく知っているものの、キャプションでどのシーンなのかが書いてあった方がわかりやすいのだが。権太楼師は好きだが、実際の高座ではなくスタジオでの実演の写真だし、本としてはどうだろう。図書館の内容紹介は『あんま師・梅喜の薬師様への願掛けの思いが叶い、目が見えるようになると…。初代・三遊亭圓朝が生み出した名作「心眼」。古典落語の名人・柳家権太楼の口演の一部始終を、写真家・大森克己が写し取る。書き起こしも収録。 責任表示:柳家権太楼 大森克己著』。 2021/08/08
Takashi Okawara
0
音のない落語。 定番の演目ではないことから語りの先入観を持っていないおかげで、普段経験し得ない視覚障害者から世界がどのように見えるかを想像できる面白い写真集。 末尾に書かれている書き下し文と写真がどう対応するかを示さないやり方も絵の想像を膨らませる上で有効に感じる。2020/08/30