出版社内容情報
万葉学の第一人者犬養孝のノートを手がかりに万葉集の舞台を訪ね、歌を読み解く。初心者にもわかりやすい解説と美しい写真で万葉世界の旅へと誘う。元号「令和」の選定元、梅花の宴も紹介。
内容説明
万葉学者がいざなう日本人の心のふるさと。令和改元「梅花の宴」も収録!楽しく読める口語訳と解説つき。
目次
梅花の宴
第1章 大和―うるはしまほろば(初瀬;石上 ほか)
第2章 近畿―海の白波へのあこがれ(住吉大社;白崎 ほか)
第3章 東海・東国―あづまうたの民謡的世界(伊良湖岬;田児の浦 ほか)
第4章 北陸・山陰―荒波につのる望郷(机島;彌彦神社 ほか)
第5章 山陽・四国・九州―はるか海の廊下の旅路(唐荷の島;牛窓 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
71
犬養孝が訪ねた万葉集の詠まれた土地を、歌と取材ノートと写真とで全国に渡り紹介している。令和の元となる梅花の宴は天平二(730)年の丁度今頃の季節に太宰府で開かれた。大伴旅人「わが国に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」と詠む。でもやはり大和の初瀬で雄略天皇の巻頭の歌、葛城山「春揚 葛山 発雲 立座 妹念」柿本人麻呂の平仮名がまだなかった頃の歌などがいい。東国、北陸、西日本まで。時代とも土地とも離れて生きられない私たち、昭和39年犬養先生の始めた万葉の旅は、今も続いている。令和に万葉の旅もいいな。2021/02/07
活字スキー
19
令和という元号が日本最古の和歌集『万葉集』に由来するのはよく知られた話。残念なことに、令和時代は開始早々てんやわんやな出来事が頻出し、初春の令月や気淑く風の和らぎを愛でる世相とはなかなかいかないようだ。個人がそれぞれで積極的に気持ちを整える必要を感じたので、大阪は谷六の隆祥館書店で見かけたこちらを読んで、悠久の時の流れと、そして変わらない人の営みに思いを馳せ、ゆっくりと自分の道を歩んでいきたいと思う。【角島の 追戸の稚海藻は 人の共 荒かりしかど 我が共は和海藻】──作者未詳──2020/06/17
みほ
1
万葉学の第一人者、犬養孝の取材ノートを手掛かりに万葉集の歌とその解説、口語訳を写真とともに見開き1ページに1首づつ紹介。その歌がどこで歌われたのか、ということを気にして読んでいなかったので地図とともに紹介されていて場所を確認することでより歌への理解が深まる。東歌に面白いものが多く魅力的。2019/11/20
Taka
1
時に、初春の令月にして、気淑く風和ぐ。梅花の宴。大伴旅人。令和は万葉集からとられたらしいということは知っていたが、作者とかは知らなかったのでふむふむ読んだ。万葉集。日本最古の歌集ということは知っているが諳んじられる歌はない。かつて同じ土地に住んでいた人々が何を見て何を思っているのか触れられるはずなのに。歌枕という言葉がある。歌に詠まれた名所示す美しい言葉だと感じる。万葉集に詠まれた名所を巡って想いを馳せる。なんて美しい旅だろうか。令和が穏やかな美しい時代になりますように。2019/11/13
takao
1
☆犬養孝は万葉故地を歩き、36冊の取材ノートをもとに、昭和39年万葉の旅を発刊した。2019/10/14
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