出版社内容情報
世代を超えて愛され続けている佐野洋子の人生と仕事を豊富なビジュアルでたどる。知人へのアンケートや未発表作品も収録した保存版
オフィス・ジロチョー[オフィス・ジロチョー]
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内容説明
おとなから子どもまで世界中の人に愛されつづけている絵本『100万回生きたねこ』の作者、佐野洋子の人となりに触れるファン必携の書。絵本の絵や銅版画などの絵画作品、エッセイに書かれた生き生きした言葉とともに、多くの友人たちの証言を紹介、「人たらし」とも言われた佐野洋子の魅力にせまる。江國香織、唐亜明、亀和田武、山本容子のエッセイ収録。
目次
1 うまれてきた絵本
2 妹だったとき
3 乙女のコッコロ
4 あっちのヨーコ
5 描く気まんまん
6 こっちの洋子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こみっくま🍏10
52
娘が生まれて沢山の絵本を娘と楽しみ学校の読み聞かせ活動もやっていた。残念な事に佐野さんの絵本は我が家では登場頻度が少なかったな。でも『パンツのはきかた』は娘が好きで何度も歌いながら読んだっけ。この絵本の裏話も紹介された本書は『おじさんのかさ』の未発表作品(かなりスリムなおじさん)も掲載されていて得した気分になる。そして絵本作家・人間・母親としての佐野さんを多くのご友人がまるで寄せ書きのように語った温かい本。私は絵本よりも断然佐野さんのエッセイが好きだ。ガッツーンと歯に衣着せない「ヨーコさんの言葉」は秀逸。2017/04/26
野のこ
35
以前読んだ「あっちの豚こっちの豚」と題名が似ていて面白そう!と借りました。佐野さんを振り返る本。絵の雰囲気が好きです。作った絵本に思いを馳せ、北京時代 父や兄の思い出はしみじみと、ふつうの洋子さんからは生き生きとした雰囲気を堪能しました。古道具屋さんのねぎり合いには笑った!学生時代に薔薇のような唇のイメージで授業中に薔薇の花びらを唇に上下くっつけた話、なんかいいな♪ 「佐野さんを一言で言うと」に谷川さんが「一言でなんか言いたくない」にはドキっとしました。ベットまで朝食を運んでくれるなんてお姫様気分♪ 2017/11/07
キラ@道北民
31
絵本の絵や銅版画などの未収録作品、エッセイに書かれた言葉、多くの友人たちの証言を集めた佐野洋子の一生。どの時代の友人も一読者の私も印象が変わらず、お付き合いにも作品として表現する時も感じる真っ直ぐさ、潔さに惹かれますね。2018/12/09
アコ
30
2010年に他界した佐野さんを惜しむ気持ちが伝わる。個人的にやはりパステル調よりもキリッとした線画が好き。絵画やエッセイを少しずつ楽しめるのはもちろんのこと、多くのゆかりがあるひとたちが語る“佐野洋子というひと”を掲載。豪快ながらもどこか繊細である大変魅力的な人柄が伝わる。元夫である谷川俊太郎氏の『佐野洋子を一言でいうと…』への回答が「一言でなんか言いたくない」にグッと来る。2017/08/23
tom
18
図書館散歩で拾ってくる。佐野洋子の没後、知人関係者からアンケートを取り、それを集計して本にしたというもの。佐野洋子がどういう人だったのかについて、多くの人が回答している。こういうアンケートだから、悪く書くはずはないけれど、洋子さんに対するコメントのふり幅が大きくて、なかなか興味深い。私が最初に読んだのは、確か「本の雑誌」の連載コラム。「ゴミは誰かが片付けないと、いつまでもそこに居る」と怒りの言葉が書いてあり、なるほどそうだと思ったことがいまだに記憶にある。もう一度、彼女の本を読みたいなあと思ったのでした。2020/12/27