出版社内容情報
パウル・クレー(1879-1940)が生涯に旅したスイス、ドイツ、イタリア、南仏、チュニジア、エジプトの各地をたどりつつ、作風への影響や名作に表わされた豊かな余韻を考察する画文集。
内容説明
生まれて初めて海を見たジェノヴァ、太陽と山々に魅せられたシチリア、色彩を手に入れたチュニジア、悠久の時と死を意識したエジプト…。波間にゆれるイメージを探しに。
目次
第1章 旅の起点―ヨーロッパ美術と出会う(スイス・ドイツ;イタリア)
第2章 旅の途上―地中海文化と出会う(シチリア;パリ・南フランス)
第3章 旅の終点―オリエント文明と出会う(チュニジア;エジプト)
著者等紹介
新藤信[シンドウマコト]
1950年東京生まれ。都立墨田川高校卒業後、劇団四季演劇研究所で舞台芸術を学ぶ。画廊勤務を経て、73年に展覧会プロデューサーとして独立、シーレ、クリムト、エッシャー、G・グラス、ヘッセ展などを手掛ける。80年以来クレー家と親交を結び、東アジアでの代理人を務める。97年日本パウル・クレー協会を設立。日本でのさまざまなクレー展やクレーに関する本を制作。新藤真知の名前でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
46
日常から非日常への風景。クレーの旅を辿りながら彼の観た風景からインスパイアされた作品。「クレーがチュニジアに行ったから変わったのではなく、変わろうと思ってチュニジアに行ったから」がすごく印象に残った。ニーゼンの青い三角の山 影のような月と星 四角い構成で素敵。表紙の「薔薇の港」は楽譜から船やヨットのメロディが聴こえてきそう♪ 贅沢な時間でした。2018/03/11
スズコ(梵我一如、一なる生命)
15
懐かしさに惹き寄せられて再読。感想は前回と全く同じで、最後に書かれたゲーテの引用が素晴らしい!のと、クレーと同じく私も地中海大好き!です。最近イタリア関係のものを読み漁っているのは、イタリアに旅行したいからなんだろうな。。。イタリアに行きたい〜〜2018/06/04
なおみ703♪
14
クレー大好き。横浜美術館で、作品を鑑賞できたのでその復習として。旅をする中で、絵が深まっていく。色合いと音楽のように軽快な線が好き。 (コロナ・ブックスとは…、このご時世インパクトありすぎ。)2021/01/11
スズコ(梵我一如、一なる生命)
6
美しいもの、心地よいものを観るのは勿論好きだ。でも、クレーは(多分)好きな作家として認識しているくらいで作風等全く知らなかった。読書のきっかけも図書館で偶然手に取ったから。本書で、クレーも地中海地域の古代文化が好きと知り、自分がクレー好きな理由を納得。しかし何よりも、私にとって本書を手にした偶然の価値の大きさは著者が最後に引いたゲーテの言葉であった。そう、私は海(を通じた自然)と人との関係を知りたくて今の仕事をしているのだ、まさかゲーテも海を前に同じ事を思ったとは!クレー関係無い……絵に大変癒されました2014/03/30
Koichi Tamura
3
クレーは大好きな画家だ。彼の地中海の旅をトレースする旅をしてみようと思う。来年イタリア旅行をしたい。2014/09/05