出版社内容情報
大正・昭和の大阪を舞台とした名作『夫婦善哉』の作者として著名な「オダサク」こと織田作之助。代表作を中心に作家ゆかりの土地や店を訪ね、古き良き人情の街をめぐる。生誕100年記念号。
内容説明
「オダサク」の愛称で親しまれた作家・織田作之助(1913~47)は、「夫婦善哉」をはじめ、大阪を舞台に市井の人びとをいきいきと描いた文学作品を多く世に出した。終戦直後は太宰治、坂口安吾らと無頼派として人気を博したが、33歳の若さで急逝する。オダサクの足跡を追って大阪を歩き、馴染みの「うまいもん屋」、好んだ音楽や作品論をとおして、作家の愛した大阪の魅力を紹介する。
目次
夜店の原理
オダサクと歩く大阪(生国魂神社界隈;高津宮界隈;二ツ井戸 ほか)
オダサク・ワールド周遊(スタンダール ジュリアン・ソレルに始まり、ジュリアン・ソレルに終わった;吉川家 「俗臭」の人びと―伯母たちの証言から;俳句 行き暮れてここが思案の善哉かな ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里愛乍
38
織田作を通しての大阪マップであり、うまいもん巡りや、小説、文楽、映画などちょっとしたガイドブック的な感じです。勿論、読み物としても充分面白いんですが、でもやっぱり写真が効いてるなぁ。道頓堀とか法善寺横丁とか知ってる場所が紹介されてて嬉しくなってしまう。そして彼の書く『猿飛佐助』が読みたくなってしまった。Wヤングの漫才のようなダジャレづくしなんて、気にならないわけがないじゃないですか。2017/01/24
荒野の狼
2
織田作之助は1947(昭和22)年に34歳で永眠した大阪の作家であるが、私は彼の作品と言うと映画版の「夫婦善哉」しか知らなかった。ところが数年前より大阪に住むようになり、オダサクの名前を耳にする機会も増え、オダサクが舞台にしたことの多い大阪道頓堀・法善寺周辺を散策する機会があったため本書を購入した。本書のp66には「オダサクの大阪マップ」として、本書で紹介されている場所が地図に描かれているのだが、そのほとんどが難波周辺で道頓堀、千日前、黒門市場といった場所に集約される。2018/02/16
まなまな
2
伝説の文士オダサク、と同時読み。こちらは写真資料が多く読みやすいので、入門によかった。「夫婦善哉」に出てきた魚のすき焼きも、写真とお店の紹介があって興味深い。私は関西育ちだけど、両親九州だからか、魚すきは知らない。「夫婦善哉と魚すきを食べてみる」を2018年のしたいことに入れた(自由軒のカレーは食べたことある)。冒頭の池内紀のエッセイにあった「オダサクは紙屑だらけの仕事場を見せないし、バーに兵隊靴など履いていかない」という‘オダサク贔屓の引き倒し’に苦笑しつつ、妙に納得。2018/02/08
茶器
2
やっぱり織田作はかっこいい。2017/04/21
takao
1
織田作之助って、知らなかったが、太宰治とか坂口安吾と並んで無頼派と称されていたようだ。 例の太宰治の有名なバーでの写真も、もともとは、織田作之助のついでの撮られたものという。 夫婦善哉や猿飛佐助で有名だが、33歳で死亡。当時からある大阪の紹介(食べ物含む)など。2018/09/21