出版社内容情報
8世紀の「神仏習合」により、日本の神にはかたちが与えられた。神そのものを表した絵画や彫刻、社殿や宝物から祭りまでを取り上げ平易に解説、日本人が捉えた神の姿に迫る。
内容説明
姿なきこと、影であること、自然から現われること―。日本人がこころに描く神のかたち。
目次
神々との出逢い(姿なきこと;影であること ほか)
立ち現われる神―絵画と神像(那智瀧図;清滝権現影向図 ほか)
神々の住まい―社殿と神宝(神魂神社本殿;伊勢神宮皇大神宮正殿 ほか)
神へのおもてなし―祭と神饌(祇園祭;那智の火祭り ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
99
神道の美術について四つの視点から述べた本。一番目の「神々との出逢い」と二番目の「立ち現われる神」が良かった。「姿なきもの」を神と感じられる日本人の繊細な感受性は素晴らしい。そういった心の働きが神道を生み出したのだろう。「立ち現われる神」で紹介されている絵画と神像は清らかな美しさを感じるものが多くて、古代の日本人の精神性の高さが表現されている気がした。2014/11/29
へへろ~本舗
9
絵画・神像・神宝だけではなく社殿や祭、神饌についても触れている。清涼な空気を感じさせる社殿の写真。心洗われる想い2018/04/18
ともゑ
3
どちらかといえばこれらは歴史や民俗学などで語られる事が多い気がするけれど、神像や絵画の素朴さや神社建築や祭礼の荘厳さは美しい。日本には神道がある。仏教の影響も受けてはいるもののやっぱり独自のものだと思った。日本の精神性を語るには神道の理解は欠かせないものではあるが、まずは素直にこの美しさを感じてみて。2014/11/01
nizimasu
3
日本の独自性を考える時に、どうしても避けては通れないのが神道という存在。やっぱりその原点は、アミニズム的な世界観にあるのだけれど、なぜ、武神とか人間が神像としてまつられているのか。そんな事を考えていた時にでたばかりだったのが本書だった。自然崇拝から神様を影と擬人化していくプロセスには、やはり仏教の影響があったりするのが、面白い。つい初詣とかの意味もわからないのだが、美術品や工芸品を通じて見えてくる神道の世界観はまた、日本人に理解しやすいなあと思った次第。あくまでキリスト教とかとの比較ですが…2013/01/13
脳疣沼
2
神道の美術は、原初てきでシンプルである。それが物足りない人もいると思うが、私は単純素朴に美しいと思う。安心感がある。本自体、良く纏まっていて、読みやすかった。2014/09/24