内容説明
江戸庶民の性意識に根差したおおらかで明るい性表現の魅力を平明に解き明かす。
目次
01 春画の歴史
02 春画の呼び名
03 浮世絵春画の主人公は庶民なり
04 「書入れ」を読めば味はひ倍増
05 性は笑ひなり
06 顔と性器のやじろべゑ
07 春画は老若男女、貴賤を問はず
08 積極的な女性たち
09 早熟な子供たち
10 古典のパロディー
著者等紹介
早川聞多[ハヤカワモンタ]
1949年生まれ。国際日本文化研究センター教授。専門は日本美術史、江戸文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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akihiko810/アカウント移行中
17
春画入門FAQ。印象度B 今度の読書会テーマが「歴史」なので、春画関連の本を読んでみるか、と本書を手に取った。 本書は旧かなで書かれているのは作者のこだわり? 歌川國貞「花鳥余情吾妻源氏」という春画(艶本)は、まぐわいの図の他に、各巻の扉絵に大首絵(女性の顔のクローズアップ、つまり当時のブロマイドだ!)、裏扉絵に大開絵(女性器のクローズアップ図)が描かれている。しかもその女性器図は、断面図になっていて、精液が流し注がれている。これってエロ漫画における性器断面図と全く同じじゃないか! 2023/01/26
Tasuku Seo
1
西洋の価値観が入る前の江戸時代では性は笑いだった、確かにその面があるのはわかるが、江戸だって笑いだけではなかったのではないか、そう疑ってその要素が春画なないかと思ってみたが、徹頭徹尾笑いだと感じた。春画に射精の瞬間や射精後のものがないのは不思議だった2021/06/24
marukuso
1
カラー図版でとても見やすく、また春画の説明が面白い。ただのポルノと蔑むなかれ。春画は当時は枕絵、笑絵と呼ばれ吉兆であり、身分の貴賎問わず楽しまれていたのだ。書入れ(漫画で言う吹き出し)は洒落や風刺が利いている。本書刊行のきっかけはスペイン人に春画の説明をしたこと。こういったタブー視されているような日本人があえて見ようとしない日本の文化は海外の方が注目しているんだなと実感。2013/01/31