内容説明
犬はペットではなく、気持ちの通った友達であり、同志であり、兄弟、家族である。犬がいないと暮らせない作家たちの愛情あふれるエピソードがいっぱい。特別付録・犬の名作ブックガイド。
目次
志賀直哉とテル、ヨネ、ナカ、クマ…―“小説の神様”は、バスから飛び下り、迷子の飼い犬を追いかけた
菊池寛とランツ、スコ、チョビ、ゼム…―文壇の大御所は、愛犬を決して叱らず、悠々と犬との暮らしを楽しんだ
徳川夢声とエス、トム公…―“話芸の神様”は「犬は駄犬に限るですなァ」と愛情表現
平岩米吉とチム、イリス、チケ、リリ…―生涯に六〇頭を超える犬を飼い「犬は笑うのか」を観察した在野の動物学者
獅子文六とミルカ、チビ、シロ、ヨシ…―トルストイにはじまり吉田茂に終わった飼い犬の歴史
林芙美子とペット―放浪生活を終えた作家は犬の淋しさに寄りそった
川端康成と黒牡丹、レナ、ルイ、エリー、バロン…―ノーベル賞作家は、犬のお産に立ち会うことに無上の喜びを感じた
中野重治とチャイ―プロレタリア作家の愛犬の名は、ロシア語の「チャイ」
坂口安吾とラモー―「御婦人方が見劣りする」ほど美しいと、コリー犬をひいきにした
井上靖とエコー、リキ、コロ、メイ…―犬は人間や人生の喩え。エコーに穂高の山脈を思う〔ほか〕
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わん!わん!ワン!本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
39
毎朝歯を見せて笑う犬“リリ”を飼っていた動物学者の平岩米吉。手に巻いた包帯を見せるたび萎縮した白州正子の“奈々丸”。“レオ”を疎開させた黒澤明の決断─。十犬十色・ワンダフルな相思相愛。生き証人が語る作家の犬生活ぶりがいいんだワン!★3.5/5 2018/09/04
しゅわ
37
【図書館】三浦しをんさんの「本屋さんで待ち合わせ」という書評エッセイで紹介していて、興味をもって手に取りました。犬を愛した25人の作家たちの貴重な写真やエピソードが満載の本です。巨匠、文豪…と呼ばれる怖そうな先生方も、愛犬を前にするとこんな素敵な笑顔になるんだ!と驚き。ご家族が語る犬と作家の思い出も良いです♪ 巻末には犬の本リストが掲載されていて、犬好きにとってカユイところに手が届くありがたい一冊ですね。2014/04/10
すーぱーじゅげむ
28
クリエイターと飼い犬が一緒に写った写真+近親者が犬とクリエイターの絆のことを書いたエッセイ。黒澤明とセントバーナードのレオの写真は必見です。いつも怒鳴っているイメージの黒澤がデレデレ、一緒に写っているトロフィーはすべて犬の品評会のものだそうです。自分のトロフィーは飾らずに物置行きだとか。川端康成「黒牡丹」徳川夢声「トム公」などユニークな名前も。昔は庭で飼っていたせいか全体的に毛並みが汚いなと正直思いますが、隣に写る作家の表情を見ると、どのワンコも満点以上!2024/05/03
やどかり
23
犬への愛情深さが心に沁み入る。家族の方などのエッセイも、作家の裏の顔、それも微笑ましいエピソードなどが知れておもしろい。猫とは違うかわいらしさがあっていいなぁ。2015/10/09
佐島楓
22
志賀直哉に始まり久世光彦に終わる、今は亡き作家と愛された犬の写真集。犬でも猫でも小鳥でも、動物ならなんでもそうだと思うが、家族となりそこに居てくれるということだけで気持ちが安定するということ、ひいては生活や仕事に影響するということは確かにある。端的にこの本がそれをあらわしている。たいていの大家が愛犬に相好を崩している(川端康成の超然とした姿がそれだけに印象に残る)。犬好きにも作家ファンにも、どちらにも楽しめる本だと感じた。ただ、じっくり読んでいるうちに涙するかもしれないけれど。2012/04/09
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- 和書
- 秘書になるための本