出版社内容情報
森林の王、クマタカのすべて
野鳥写真家である著者が25年の歳月をかけて撮影と生態調査を続けてきた成果が結実。日本固有の貴重種で、大型猛禽類「クマタカ」の生態を豊富なビジュアルで徹底的に解説する。
本書は、クマタカの概要から始まり、繁殖生態、環境利用、採食行動、食性、求愛行動へと進み、繁殖活動の詳細、鳴き声、換羽を経て、イヌワシとの比較、形態上の特徴、保全上の諸問題へと至る。どの項目も、ご自身の長年にわたる観察結果を中心にまとめられており、資料性が非常に高い。また、数多くの写真が記述を裏付け、捕捉し、話の流れを興味深いものに仕立てている。読んでいて、見ていて、クマタカが織りなす野生の世界に引きずり込まれていくのを感じる。
――樋口広芳(鳥類学者・東京大学名誉教授)「『クマタカ生態図鑑』刊行によせて」より抜粋
若尾氏はクマタカの研究論文や関連書籍を徹底的に調べ上げたうえで、フィールドに通い続けた。そこにはクマタカの既知の行動だけでなく、真の生態を明らかにするのに不可欠な数多くの発見があり、若尾氏はそれらを写真と共にクマタカの生態の新たな知見として克明に解説している。つまり、本書は単に素晴らしい写真集であるのみならず、クマタカの生態を伝える研究書としての価値も有する貴重な生態図鑑であるといえる。
――山? 亨(アジア猛禽類ネットワーク会長)「監修者あとがき」より抜粋
【目次】
第1章 各部位の名称
第2章 用語解説
第3章 クマタカの概要
第4章 生態
第5章 生息環境と行動圏
第6章 容姿と年齢
第7章 ハンティング
第8章 食性
第9章 ディスプレイ飛翔
第10章 繁殖活動 求愛期から抱卵期
第11章 繁殖活動 巣内育雛期
第12章 雛の日齢変化
第13章 繁殖活動 巣外育雛期
第14章 追い出し行動と分散
第15章 繁殖の現状
第16章 繁殖失敗事例
第17章 繁殖戦略と死亡率
第18章 鳴き声
第19章 換羽
第20章 個体識別
第21章 干渉行動とモビング
第22章 クマタカとイヌワシ
第23章 翼と羽の形状
第24章 猛禽類調査
第25章 猛禽類の保護・保全
第26章 クマタカの未来
内容説明
森林の王クマタカのすべて。
目次
各部位の名称
用語解説
クマタカの概要
生態
生息環境と行動圏
容姿と年齢
ハンティング
食性
ディスプレイ飛翔
繁殖活動 求愛期から抱卵期
繁殖活動 巣内育雛期
雛の日齢変化
繁殖活動 巣外育雛期
追い出し行動と分散
繁殖の現状
繁殖失敗事例
繁殖戦略と死亡率
鳴き声
換羽
個体識別
干渉行動とモビング
クマタカとイヌワシ
翼と羽の形状
猛禽類調査
猛禽類の保護・保全
クマタカの未来
著者等紹介
若尾親[ワカオチカシ]
野鳥写真家。1957年山梨県身延町生まれ。1976年東京電力株式会社に入社。1983年企業内大学卒業。電力事業に従事し1995年に退職。野鳥写真家として独立。八ヶ岳山麓に移り住み、四季の彩る野鳥との出逢いを求めて全国を駆けめぐるとともに、南アルプスを中心にクマタカの姿を追い求め、撮影と観察記録を開始。クマタカの生態研究に入る。2000年、日本野鳥の会の月刊誌『野鳥』に野鳥の魅力を伝える“わかおちかしのまなざしエッセイ”を連載。『図説 日本の野鳥』を河出書房新社より共同執筆で刊行。2001年、写真集『カワセミ物語』を河出書房新社より刊行。2011年、写真集『クマタカ』を平凡社より刊行。細密画及びイラストによる本の挿絵、年賀状デザインなどの創作を手掛ける。“野鳥を知ることで環境がわかる”という視点から、テレビ・ラジオなどのメディアを通じて生物多様性と環境保全の在り方について発信している。環境自然教育の重要性を受けて、現在、野鳥の生態系と人と自然の関わりをテーマにした児童書及び創作科学絵本を制作中。日本野烏の会会員
山崎亨[ヤマザキトオル]
アジア猛禽類ネットワーク会長。クマタカ生態研究グループ会長。1954年滋賀県生まれ。鳥取大学獣医学科卒業後、信州大学教育学部で鳥類生態学を学ぶ。滋賀県職員を務めながらイヌワシとクマタカの生態研究に取り組み、1983年にクマタカ生態研究グループを設立。1998年研究報告書「クマタカ・その保護管理の考え方」を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。