出版社内容情報
実は「万有引力」という概念も、こういうオカルト的世界観から生まれてくるのである。平凡社は先に、ニュートン伝の決定版といわれる、リチャード・S・ウェストフォール『アイザック・ニュートン』(上下各八四四七円)を出しているが、これも読みあわせるとはよいだろう.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』86頁、より)
内容説明
プリンキピアの上梓によってイギリス科学界に君臨することになったこの人物の、唖然とさせられるばかりの傲慢さと執念深さ。ニュートン伝の決定版。
目次
第11章 革命
第12章 造幣局
第13章 王立協会会長
第14章 先取権論争
第15章 晩年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
爐
3
半ば隠遁者のような研究生活を送っていたニュートンは、名誉革命前後から、一転、公の世界に進出する。造幣局監査のポストを得て、贋金づくりたちと戦い、後に造幣局長官となる。なかなかの能吏であったようだ。王立協会会長としての活躍も描かれる。研究の面でも、プリンキピアの改訂、神学研究などに取り組み続ける。論争を嫌う一方、疑い深く他人からの非難に激しやすい性格のニュートン、後半生でもフラムスティードを筆頭に犠牲者に事欠かない。そして、ライプニッツとの有名な先取権論争。どちらにも非があるとしか言い様がない醜い争いだ。2014/12/20