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出版社内容情報
マレビトやヨリシロなど独創的な概念を通じ、古代の人々の考えと生活を明らかにしようとした折口。民俗学、国文学、芸能史など、既存の学問分野を超える思想を一冊で。
内容説明
古代の心性を蘇らせる折口学、その学問体系を超える思想。
目次
妣が国へ・常世へ―異郷意識の起伏
鬼と山人と
盆踊りの話
舞ひと踊りと
ほうとする話―祭りの発生その一
み雪ふる秋―「まつり」と「こと」と
山のことぶれ
日本の年中行事―その入り立ち
餅搗かぬ家
鬼を追ひ払ふ夜
年中行事に見えた古代生活―雛祭りを中心に
花物語
神賑ひ一般
雪の記憶
山の湯雑記
山の音を聴きながら
沖縄を憶ふ
恋の消息
当麻寺中護念院にて
筬の音―わが幼時の記憶
細雪以前
文学を愛づる心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
74
文が難しすぎて一読では噛み砕けない折口信夫氏。渡来の神々、まいとおどりの違いから始まる祭りの成り立ち、餅を搗かない家にまつわる逸話で提示される裏表性についての解釈は怜悧。対して当麻寺からの手紙は折口信夫氏の素直で瑞々しい視点が垣間見れる。そして「文学を愛づる心」での「人形の家」を通しての考察が滲みた。知識が思考される事もなく、丸呑みされ、問題が提示される事への本質を捉えられず、上滑りの理念という「実」のないものが社会へと堆積しているという指摘を頭に留めたい。2019/12/24
ジャズクラ本
11
◎最初の「母が国へ・常世へ」を読み始めたときは、その文体、内容ともに難しくてどうなることかと思ったが、次の「鬼と山人と」からは幾分易化したので読み進めることができた。折口信夫は何かの本の孫引きである程度知ってはいたが、今回が初読み。直の文を読んでみると、成る程一級の民俗学者だけのことはあり、特に鬼や祭の論説などは感心せられることしきり。傾向として、若い頃の文章ほど難しい印象です。/柳田国男 関敬吾 共著「日本民俗学入門」/宮本常一「民間暦」/九鬼家では節分は名字の縁から「鬼は内、福は内」2019/12/25
夏みかん
2
難しい漢字があったりして少し読み辛買ったけど、内容はとても面白かった。雛祭りや七夕について、より深く知ることができた。「祖先は子孫のため、子孫は祖先のため、相見る事のない人同士が、互いに努力を持ち寄って、民族の性格だけは残して置こうとしているのである。」そう遠くない昔にはあった、このような性格はどこに消えてしまったのだろう。2019/12/19
たね
1
晦渋な文章であり、漢字を調べつつゆっくりと読んでいった。「筬の音」は50代くらいの作者が幼い頃の記憶を書いたものと思って読んでいたら18歳の作品と最後に知ってびっくりしてしまった。何となくやっている節分、ひな祭りなどのルーツを感じるとそれらの行事を改めて大切に思える。一方で「沖縄を憶ふ」や「恋の消息」、「文学を愛づる心」では失われたり失われつつあるものを文章に閉じ込めたように思えて、どこか懐かしさを感じた。2022/02/01
isbm
0
★★☆2024/12/26