内容説明
甲斐を舞台に、石そのものに生涯こだわりつづけ、甲斐特有の石の文化を追究しつつ、人類全体に共通する問題にまで光をあてた著者の文章を集成。
目次
第1部 石にやどるもの(石と民間信仰;丸石神の謎;性の石神;庚甲;馬頭観音;石投げ合戦考)
第2部 山梨県の道祖神(山梨県下の道祖神概観;道祖神の石祠;道祖神の文字碑;単神の道祖神像;石棒の道祖神;異形な石の道祖神 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
y
2
先日読んだ諏訪の神の、繋がりで読みました。 著者が中沢新一さんの父とは知りませんでしたが、この父にしてこの子あり、と妙に納得してしまいました(よい意味で)。 山梨県という地域での活動とはいえ、かなり網羅的に調査されていて読み応えがありました。 が、本文もさることながら、解説がめちゃめちゃ面白く、中沢新一のルーツが垣間見られました。2022/11/10
みんち
1
山梨の郷土民俗化、故・中沢厚氏が長年書き綴った民俗郷土史論文を一冊につづった追悼本。内容としては甲斐(山梨)地方に数多く見受けられる丸い石をそのまま「丸石神」として崇拝する文化と、それをいわゆる「道祖神」と同一視するようになった経緯についての考察。意外と読みやすい文章と、細かく区切られた章仕立ての構成で郷土学初心者でも理解しやすくなっている。義弟に当たる網野善彦氏、息子に当たる中沢新一氏がそれぞれ亡き著者の在りし日を思い出しながら、本文に書かれていない筆者自身の意外な側面を紹介してくれているのもポイント。2016/07/05
可兒
0
甲斐というだけでマイナスイメージがある。甲州選挙、武田侵略軍団、はらっぱり云々。そういう地域の内側の信仰の話2010/06/25