内容説明
アボリジニの人たちは、大地を愛し、敬い、慈しみながら生きる。かれらの自然との対話を通じて、新たなエコロジーの思想に出会う。
目次
第1章 カントリー
第2章 原生自然と荒地
第3章 ないものはない
第4章 聖なる地理学
第5章 ドリーミング・エコロジー
第6章 カントリーを大切にする
第7章 環境破壊
第8章 人権と環境権
著者等紹介
ローズ,デボラ・バード[ローズ,デボラバード][Rose,Deborah Bird]
1984年米国ブリンマー大学人類学科Ph.D.取得。現在、オーストラリア国立大学資源・環境研究所専任研究員
保苅実[ホカリミノル]
2001年オーストラリア国立大学歴史学科Ph.D.取得。現在、日本学術振興会特別研究員
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感想・レビュー
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まこ
5
アボリジニの文化について書かれた本。ドリーミング、カントリーなど独特の単語が出てくるが、最後には何となく理解できたような。彼らは何百年もかけてオーストラリアの大地を管理し様々な動植物を繁栄させた。侵略者の白人はたった五十年でそれを不毛の地にした。現在のオーストラリアが環境問題に熱心なのはそんな歴史があるからかも。アボリジニは未知の人も文化も拒絶しない。現代では先進国と呼ばれる国からきた侵略者は沢山の命と文化を葬ってきた。先進国は確かに特定の分野では抜きん出ているかもしれないが、一番大事な何かが未熟なのかも2015/06/04
カレーリーフ
2
アボリジニ自身が、自らの文化や考えをまとめてほしいと研究者である著者に依頼してできたという本の邦訳書。無文字文化の彼らがどのように歴史をつないでいったか、その方法が紹介される。アボリジニ研究における倫理について著者と訳者の巻末対談など、小さい本だけど他者理解のための豊かな声と実践記録がつまっている。美しく大切な本。
かえる
1
数あるアボリジニ文化を解説した本の中でも、かなりわかりやすい一冊。アボリジニの歌や言葉を数多く引用し、その内容を読み解く形になっているためだと思います。特に歌は、アボリジニの人々の心情や世界観を生き生きと伝えてくれ、読むたびに新たな発見があります。世界はいまも生きて、創られ続けている…。巷にあふれる「エコ」という言葉はあまり好きではありませんが、アボリジニの思想には多くを学んでいきたいと思います。2012/02/15
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