内容説明
魯迅はトロツキストをスパイだと言ったのか?“革命の聖人”と“漢奸”とに引き裂かれた魯迅と中国トロツキスト―毛沢東・中共による歴史の隠蔽・歪曲のなかから、魯迅とトロツキーの深い結びつきを、そして革命期の文学をめぐる魯迅の思考を、厖大な資料と証言とによって再建し救済する。
目次
第1部 魯迅におけるトロツキー文芸理論の受容(魯迅「革命人」の成立;魯迅革命文学論とトロツキー著『文学と革命』;魯迅におけるトロツキー文芸理論の意義―同伴者魯迅;一九二八~一九三二年期の魯迅のトロツキー観と革命文学論;魯迅におけるトロツキー観の転回試論―魯迅と瞿秋白;『文学と革命』中国語訳の諸問題)
第2部 「トロツキー派に答える手紙」をめぐる諸問題(「トロツキー派に答える手紙」をめぐる諸問題)
第3部 毛沢東文芸路線とトロツキー文芸理論(毛沢東「文芸講話」とレーニン「党の組織と党の文学」翻訳問題―延安整風と王実味;魯迅と富田事変―毛沢東のAB団粛清と魯迅の不安;永久革命者の悲哀―「もし魯迅が生きていたら」論争覚書)
著者等紹介
長堀祐造[ナガホリユウゾウ]
1955年埼玉県生まれ。東京大学文学部卒業、早稲田大学大学院博士課程中退。現在、慶應義塾大学教授。専攻、中国近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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