出版社内容情報
2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公・豊臣秀長。兄・秀吉の名補佐役として、いかに天下統一事業を推進し、南近畿の統治を行ったのか。秀長の再評価を問う一書。「中世から近世へ」シリーズ最新作!
【目次】
内容説明
静かなる統一政権の首領。豊臣政権の壮大な方針を先駆けて実施した武将。刀狩・検地をいち早く自領で展開。巧みな宗教政策や人材育成は後の江戸幕府の礎を築いた―信長、秀吉、家康で魅せられた男とは。
目次
第一章 織田信長の被官(秀吉の弟として出生;秀吉・秀長兄弟の階層 ほか)
第二章 羽柴氏の台頭(備中高松城の水攻め;山崎の戦い ほか)
第三章 南近畿の支配(紀伊の宗教勢力;畠山氏による統合と信長との対決 ほか)
第四章 豊臣政権の柱石(内々と公儀;九州出陣 ほか)
第五章 大和羽柴家の終焉(関白秀次;中納言秀保と箱本制度 ほか)
著者等紹介
天野忠幸[アマノタダユキ]
1976年兵庫県生まれ。2007年大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。現在、天理大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
33
秀長が長生きしたら朝鮮出兵は止められたのか、という疑問への答えが見つかる一冊。才走った印象こそないが、軍事内政ともに概ねそつなくこなし、諸大名への気配りも怠らない。官僚的な実務能力を持ち、かつ秘書的な気働きに秀でている。大和が特殊な土地だということを本書で知ったが、それでも秀吉の意向を実現するために厳しい改革をおこない、蓄財に励んだのだろう。あと興味を抱いたのは小早川秀秋。何かがひとつ違っていれば、次の天下人になっていたかも。彼が秀長、秀次と力を合わせ、羽柴御三家で豊臣摂関家を支える世界線を覗いてみたい。2026/02/16
MUNEKAZ
12
畿内戦国史を専門とする研究者による秀長本。とくに秀長による大和国の支配が、詳しく紹介されている。興福寺など大寺社を否定し、地生えの国衆も改易、さらに新都・郡山を造営するなど中世的な権威を破壊し、江戸時代に繋がる近世的秩序を築いたと評価する。当然、同時代の大和の人々からは余り良い評判ではないが、お膝元の郡山では江戸時代も敬慕の対象となったというのは興味深い。松永久秀ら大和国の中世的権威に挑んだ人々の流れに秀長を位置付けるのも面白く、著者の切り口の独自性が光るところ。2025/11/09
黒猫堂▽・w・▽
2
大河ドラマのテーマとなることで一躍秀吉を天下人たらしめた立役者として再評価の進む秀長だが、資料を読み込んだこちらの著書を読むと秀吉に忠実だったことは確かだけれどその言動を嗜めることができるような力関係では無かったことが理解できる。 また、秀吉の後継者候補が秀次だけでなく何人もいて取り巻く環境の変化によってその顔ぶれが変わっていく様も理解できた。秀長に話を戻すと領民には苛酷な領主だった一面が強く、かと思えば有力武将には信義を尽くすなど相手によって違う面を見せる、いわゆる裏表のある人物だったのかと感じられた2026/01/11
オルレアンの聖たぬき
1
大和国の中世を専門にされている天野先生の秀長本。他の本に比べてより濃密に大和国の地勢や事情と秀長や秀長家臣との関係について詳説されている。2026/02/14
Uz あなぐま
1
宗教勢力との関係、政権主催者の兄弟という立場、という2つの主題に注目して秀長の経歴と人物を読み解いていく。秀吉の物語を通した秀長像にとどまっていた自分にとっては初見の話も多く、羽柴御三家、東西の大納言、という捉え方は新鮮。秀長による南近畿の支配についての記述は、寺社の中世的影響力の大きさという点でも興味深く読むことができるし、硬軟を使い分けた政策で、宗教勢力の影響を排して武家支配へと移行していく過程が面白かった。秀長に限らず、戦場以外でも交渉、仲裁、接待、行政までこなす戦国武将たちの仕事ぶりも印象的。2026/01/15




