王の二つの身体 - 中世政治神学研究

王の二つの身体 - 中世政治神学研究

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  • サイズ A5判/ページ数 768p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784582472523
  • NDC分類 311.23
  • Cコード C0022

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

190
王の自然的身体の中で(不可視・不可死の)政治的身体が活動すると規定したのはエリザベス朝の判例集だが、シェイクスピア劇における王の二身分裂の苦悩を見ると法概念より宗教性が強い。王の二つの身体はどこから来たのだろうか? 古くはキリストの似姿として王は《双生の人格》を持ったらしい。やがてキリストの似姿が教皇へ移るにつれ、王の二身問題は法哲学的な領域に変換され、王権は教権と並行した《連続する神秘体》として把握されていったという。中世後期のこうした動きは、永続する国民国家という近代概念の形成を考える上でも興味深い。2023/08/20

34

16
本書は「王の二つの身体」という法的擬制・政治的パラダイムについて書かれたものである。そのヴァリエーションには「生きた法」としての王、法の下に服するとともに超越する主権者、「神秘体」としての国家といった形象が属する。これらのイメージは中世から近代へと連続性を想定できるという意味で、副題はシュミットの含意を踏襲しているのだが、むずかしいのはそれらの適用の範囲。というのも著者はシュミットのように「世俗化」のテーゼには拘らないので、どこまで現在(ないし近代)に引きつけて考えるかは読者次第という印象を受けるからだ。2016/12/25

R

1
王は「自然的身体」と「政治的身体」の2つの身体を持つということを,宗教的・法的・政体的に論じていく。「自然的身体」には限りがあるが「政治的身体」は死ぬことなく永続していくと設定されている。それならば王は“王冠”のみではいけないのだろうか。“王冠”を「政治的身体」と擬制して統治することは考えられなかったのだろうか。この擬制が実施されなかったという事実は,「王の二つの身体」というテーマにおいて,「政治的身体」が必ずしも「自然的身体」に優越するわけではないことを示していると思う。2019/02/16

陽香

1
199203242014/10/04

けふたろ

1
中世政治神学の実証研究。極めて込み入っており、そして我々を混乱させる議論が続いているが、これは実のところそれこそがまさに当時の神学者や法学者の混乱を表していること後に示される。そして、これだけ混乱した様相を呈しているにも拘らず、王の二つの身体というイングランドで殊更に発達した概念は、徐々にその姿を明瞭なものにしていくのである。2012/06/28

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