内容説明
いまフェミニズムは、何を問い、何と戦っているのか。フェミニズムの現代を考える一冊。
目次
男女共同参画社会基本法のめざすもの―策定までのウラオモテ
対談補論―予想外の進展と予想どおりの反発
フェミニストカウンセリングの現場―相談者とは誰か?
対談補論―「よりよい制度化」としてのフェミニストカウンセラーの資格化
ジェンダー・トラブル―アイデンティティの撹乱はどこで、どのように…
対談補論―セクシュアリティの再政治化とフェミニズムの再構築
表象分析とポリティカル・エコノミーをつなぐために―マルクス主義・フェミニズム・グローバリゼーション
対談補論―グローバリゼーションへのフェミニスト分析をめぐって
足場のない未来への投企―あとがきにかえて
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授
大沢真理[オオサワマリ]
1953年生まれ。現在、東京大学社会科学研究所教授。男女共同参画審議会委員
河野貴代美[カワノキヨミ]
1939年生まれ。現在、帝京平成大学福祉情報学科教授
竹村和子[タケムラカズコ]
1954年生まれ。現在、お茶の水女子大学助教授
足立真理子[アダチマリコ]
1953年生まれ。現在、東京大学大学院経済学研究科
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
50
【声高な『反動』は、それがリ・アクトする動きの無視できない大きさの、逆説的な証明だ】最前線で活躍する、大沢真理、河野貴代美、竹村和子、足立真理子ら4人のフェミニストと上野千鶴子が、フェミニズムが直面しているホットな課題について語り合った対談集。巻末に文献一覧。2001年刊。上野は「あとがき」で、<歴史はヘーゲルの言うように世界精神の自動的展開の過程でもなければ、マルクスの言うように階級闘争の必然でもない。わたしたち自身がまちがいを含む選択をつづけながら、見えない未来へと一歩すすめる投企のなかにある>と。⇒2024/03/30
takizawa
3
上野千鶴子と第一線で活躍するフェミニストによる対談集。男女共同参画社会基本法の策定のウラ話,ポスト・ジェンダー・トラブルなど,対談は理論も実践もカバーしている。私が個人的に面白いと思ったのは,自治体におけるジェンダー施策を論じる河野貴代美との対談。女性センターの任務は,当事者による自助グループを作る手助けをすることではないかという指摘は,経験的にすごく同意できるところ。2012/05/18
たろーたん
1
上野千鶴子と色々な人の対談。河野貴代美氏との対談はフェミニズムカウンセリングの説明で終わってしまい深掘りできなかったし、大沢真理氏との対談も男女共同参画の話の裏話で終わってしまった感があった。個人的には竹村和子氏との対談が面白く、ポストモダンのセクシュアリティ・スタディーズは難しくも興味深いと思った。例えば、「カミングアウトは対抗アイデンティティだが、レズビアンの場合はそれを対抗的アイデンティティにするのが難しい」「男女の愛はテンプレがあるので、愛の不可能性に直面しなくてはならないのは、(続)2025/03/29




