内容説明
「聖徳太子」を創りだした日本書紀。その成立の背後にある編者の思惑は何か。巨大な中国の影と微妙な朝鮮半島情勢のなかで苦悶する日本。「聖徳太子」の虚実を明らかにしつつ日本書紀の謎に迫る。
目次
序章 『日本書紀』の解明に向けて
第1部 『日本書紀』の謎をめぐって(記紀の編纂と「聖徳太子」;『日本書紀』の謎は解けたか)
第2部 中国諸文献と『日本書紀』(『隋書』倭国伝について;『日本書紀』の文章表現における典拠の一例―「唐実録」の利用について;『日本書紀』と祟咎―「仏神の心に祟れり」に至る言説史;上宮王家滅亡の物語と『六度集経』)
第3部 「聖徳太子」の虚実(四天王寺と難波吉士;百済弥勒寺「金製舎利奉安記」と「聖徳太子」;飛鳥仏教と厩戸皇子の仏教と『三経義疏』;天寿国曼茶羅繍帳の成立)
著者等紹介
大山誠一[オオヤマセイイチ]
1944年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、中部大学人文学部教授。専攻は日本古代政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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