出版社内容情報
関東武家政権の頂点に位置する古河公方足利家第4代・足利晴氏の正妻となり、のちに家政のみならず、家長としても全権を担った芳春院殿の生涯と役割を史料を基にたどる。
内容説明
北条氏康の妹にして、古河公方足利家を取りしきった女性の生涯!戦国時代の武家権力における女性の在り方を見直す。
目次
第1章 芳春院殿の家族
第2章 足利晴氏との結婚
第3章 葛西城への移住と「葛西公方」の誕生
第4章 梅千代王丸の公方家相続
第5章 芳春院殿・義氏権力の確立
第6章 「葛西様」としての芳春院殿
第7章 関宿城への移住
第8章 関宿籠城戦と芳春院殿の死去
著者等紹介
黒田基樹[クロダモトキ]
1965年東京都生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。専門は日本中世史。現在、駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
14
著者が長年取り組んできた関東戦国史と、近年のテーマである戦国大名の妻の研究が見事に結びついた労作。芳春院は北条氏綱の娘、古河公方・足利晴氏の妻となった人物で、従来は政略結婚の手駒という評価しか受けてこなかった。ところが実際には、実家と婚家が対立する中、自分自身と我が子の存立を賭して夫と戦い、さらには幼い息子に代わって家長の役割をも果たしたパワフルな女性であることが分かっている。乏しい史料を綿密に分析し、芳春院の動向と意図をあぶり出していく熟練の手さばきが素晴らしい。2025/06/04
デンジャラスゾンビ
5
https://humaniste.jp/blog/2f7fsi1zvgan2024/07/25
吃逆堂
2
これもまたジェンダー視点で既往の研究を見直すことで生まれた成果だろう。2024/10/29
Ryuji Saito
1
2024年55冊目。2024/09/19