出版社内容情報
日本を決めた、あの戦争の真実
国はどのように戦争に至るのか?人はなぜ戦争を始めるのか?
現代日本に決定的な転機をもたらした日露戦争を詳細に描く大作。
第一巻は開戦直後までの政府・軍部の攻防と国民の熱狂。
内容説明
国はどのように戦争に至るのか?人はなぜ戦争を始めるのか?近代日本に決定的な転機をもたらした日露戦争を詳細に描く大作。
目次
プロローグ 明治三十七年二月四日
第1章 日英同盟が結ばれた日
第2章 不可解!ロシアの背信
第3章 世論沸騰「断乎撃つべし」
第4章 対露作戦計画成れり
第5章 いざ開戦、そして奇襲攻撃
第6章 旅順港外戦と鴨緑江突破戦
著者等紹介
半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。著書は『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)(以上、文藝春秋)など多数。『昭和史1926‐1945』『昭和史戦後篇1945‐1989』(平凡社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
39
「坂の上の雲」を読み、もう少し日露戦争のことが知りたくなりのこちら。本書は開戦前の両国の事情や駆け引きから旅順港外戦、鴨緑江突破戦まで。満州からの引きあげを約した「新露清条約」(順守されなかった)に一喜一憂する日本、ドイツ皇帝カイゼルに操られアジアに深入りするニコライ2世、強硬派ベゾブラゾフと穏健派ウイッテ、クロパキトンらによるロシア内部の権力抗争、陸相クロパキトンの訪日等を新たに知る。ややしつこく語られる日露戦争と昭和の対米英戦前夜の我が国の指導者層の質的優劣に関する論述も興味深い。2019/06/14
はる坊
21
日露戦争はどのようにして開戦に至ったのかが、こと細かく書かれていて、非常に面白い。内攻は外交より難しいものだと改めて思い知らさせる。次巻も楽しみ。2015/03/18
Tomoichi
16
日露戦争の開戦までを描く1巻。当時の新聞記事を多用したりと他の日露戦争ものとは多少違う手法。戦闘についてはあっさりしているのでそれを期待している人には外れ。読みやすさも内容も司馬遼太郎の「坂の上の雲」と児島襄の「日露戦争」の中間です。著者による日露戦争をテーマにした講談です。2016/07/17
はる坊
13
再読。この頃の国民になったつもりで読んでみた。ロシアが許せんってなり、政府しっかりしろとなり、国民戦争になっていったのも納得出来た。2015/05/17
鐵太郎
8
「歴史探偵」を標榜する半藤さんの面目躍如か。開戦に至る経緯や、その陰にあったものが時間を前後させて立体的に描かれている。国家を戦争に導くと言う事が、どれだけ恐るべき賭であるのか熟知していた為政者が上に立っていたから、こんな時代を乗り切れたという作家の論は、重い。しかし思うのは民草を軽挙妄動させる、あるいは民草の軽挙妄動に騙されるマスコミの軽薄さ。この軽薄さを持って「社会の木鐸」を自称できる根拠は何か、改めて問いたいと思うもの。次巻、開戦後の苦闘が始まります。出遅れちゃったので早く買わないとねぇ。(笑)2014/02/22