内容説明
聖なるロシアの栄え、勇壮なる英雄たちの誉れを歌いあげる、叙事詩ブィリーナ。中世より語り継がれたロシアの魂。
目次
ブィリーナについて
太古の勇士たち
キーエフの勇士たち
ノヴゴロドの英雄たち
勇士群像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
67
『ブィリーナ』とは、ロシア民衆の間に口承で伝えられてきた英雄叙事詩のこと。イリヤー・ムーロメツに代表される、キーエフの「太陽の君」ウラジーミル公に仕える勇士たちの功業を語るものが中心ですが、コルサコフのオペラで有名なノヴゴロドの商人サドコの異界訪問譚や、大地を持ち上げられずに死ぬスヴァトゴールの神話的な物語などもありバラエティに富んでいます。それらが、定型句や反覆の多用からくる様式美を湛えたリズミカルな調子に乗って語られて、馬で草原をゆくような、瀟洒で素朴なタペストリーを眺めるような楽しさがありました。2022/05/17
茅野
2
読み易いブィリーナ集。オネガ湖周辺の語り手のことは知っていたが、特にこの周辺で盛んに語り継がれていた故であることを初めて知った。2023/04/13
刳森伸一
2
有名なイリヤー・ムーロメツの物語を含むブィリーナ集。編訳者によれば、ブィリーナの類型をかなり網羅とのこと。やはりイリヤーものが最も面白いと思うけど、それ以外にも「商人サドコ」や美男子が活躍する「チュリーラ」などがよかった。2014/07/09