内容説明
16世紀から18世紀に生きた、さまざまな経歴と異なった貌をもつ23人の旅人たちが書き残した証言を通して、当時の食習慣、テーブルマナー、食物、料理、味覚の変遷、肉食日など、食にまつわるテーマに光を当てた興味深い書物である。本書は単に食文化史を綴ったモノトーンな歴史書ではなく、豊富なエピソードを随所にちりばめ、物語としても充分に楽しめるドキュメンタリー風の歴史書に仕立てられている。
目次
どんな旅人たちがどんなふうに旅をしたか
飲むとは?
いつ、どのように食事していたのか
パンとその仲間
肉食日には
肉なし日には
やっかいなスパイス
ところで旅人たちは何を飲んでいたのか
いくつかの料理法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kri
8
16〜18世紀、主に欧州を旅した23人の紀行文を手がかりに書かれたもので、当時の食文化を知ることができる。スペイン、イタリア、ドイツ、イギリスなど各地独自の食習慣や20世紀現在と比べての驚くべき製造過程など、とても面白かった。ワインの章では「ブドウが完全に熟したら…大樽に仕込む。その中に喉を掻き切って殺した、まだぬくもりのある羊か犬を丸ごと放り込む。…生石灰をこの上から投げ込む。…四、五日で…動物は完璧に消え失せ…これだけのものをごたまぜにすれば…優れたワインができないわけない…」18世紀スペインにて。2021/02/08
Christena
6
16世紀から18世紀の旅人が残した紀行文をテーマ別に抜粋して、20世紀の著者が当時の食文化と比較したコメントを添えているのが面白い。巻末には旅人たちが食べた料理のレシピも。2015/06/02