感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志村真幸
1
著者は、昆虫や鶴の研究者。 本書は、台湾を中心に活躍した鹿野忠雄の伝記。少年時代から、第二次世界大戦末期に戦地で行方不明になるまでの一通りが語られている。 台北で過ごした学生時代に山々を回り、少数民族のなかに入りこんでいく。東大進学後も昆虫、氷河地形、民族の調査に携わり、大きな成果を上げた人物だ。研究がどれも楽しそう。戦前の南方の自然研究が、いかに魅力に満ちていたかがよく分かる。 データ的な側面も、実に詳細。よくここまで調べたものだ。 その死についての推測も。 2024/10/20
ふのりけちょ
1
「アラン・オーストンの標本ラベル」で紹介されていた本。大変な力作。戦前から戦中にかけて、3000m級のピークが65座あるという台湾を中心に昆虫を始めとする動物学・地理学に多大な足跡を残した学術冒険家の伝記。正に快男児。登場する山名や渓谷名がわかる図があれば良かった。2022/03/18